易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2020-01-01から1年間の記事一覧

往きて吉利あり

悔亡。失得勿恤。 往吉无不利。 ── 晋、六五 まず、 「悔亡。失得勿恤」は、 ネガティブな面を云っています。一方、 「往吉无不利」の方は、 非常にポジティブです。この爻は、 陰爻が高い位にいるので、 実力以上の位地(仕事)であるために、 悔いることがあ…

Twitterで見た占

それは次のような占でした。× × × × 「転職した方がいいか、 現状に留まった方がいいか」これを筮して、 地天泰の上爻を得ました。どのように読んだら良いでしょうか。 分かる方はいらっしゃいますか? × × × × 小生個人の感想ですが、 転職と離婚の可否占は…

占法の本

柳下先生の『易─占法の秘伝』は、 現代の易占法の解説書ですが、 あくまで「占法の本」だということを 意識する必要があります。 ですからこの本をいくら読んでも、 卦や爻、象や辞の理解が得られる わけではないのです。 三変筮と略筮の違いを知っただけで…

謙の最下位

今月の月筮は、 地山謙の初六でした。思ったことを 牛の涎のように述べます。 (だらだらと)× × × × 爻辞曰。 謙謙君子。用渉大川。吉。 象曰。 謙謙君子、卑以自牧也。「大川を渉る。吉」を見て、 単純にこれに当て嵌めて 占ってはいけません。高い山が低…

鼫鼠

晋如鼫鼠。貞厲。 ── 晋、九四 ここは、 夜陰に活動して穀物を噛む、 貪欲なる鼫鼠(大ネズミ)の爻です。この爻は、 陽剛で、不中不正なので、 晋卦において貴ぶところの 「順徳」を失っているのです。 (彖伝参照)欲によって道を誤りますので、 邪心を改め…

衆允

火地晋三爻の、 結婚占を考えてみました。爻辞は、 衆允。悔亡。 です。× × × × この話は纏(まと)まるか、 すなわち結婚の成否占なら・・大岳氏が云うように、 当人が身近な人に惹かれており・・ といった状況にあるわけですから、 他に好きな人がいるという…

大畜の上九

山天大畜の上九については、 以前は受験占を書きましたが、 今回は結婚占を考えてみます。爻辞は、 何天之衢。亨。 です。× × × × まず、 結婚の成否占ならば・・ ※成否占・可否占ですから三変筮です。筮前の審事によって、 止められるか。 ようやく成就する…

西荻にて

西荻窪でランチして、 古書店を覘いてきました。全部で 1,490円也。× × × × 服装は社会の表現である。 社会のすべてが 女性のスカートの中にある。── Balzac『風俗研究』山田登世子 訳

乾為天と雨

かつての記事の一部を、 加筆修正して再掲載します。× × × × 天気占で乾為天を得たら、 これは純陽の卦で、 乾は五行では金なので、 金極まって金生水となし、 雨が降るなんて占もできます。 (これは人にもよるでしょうが)けれども、 乾為天は五行を使わず…

「ざくろ屋敷」

バルザック「ざくろ屋敷」 を読む。 (岩波文庫「知られざる傑作」所収) 最初は屋敷と舞台の説明ばかりだが、 人物が登場してからは異常に集中して 読めるようになる。 自分がどこかへ行ってしまうほどだ。 訳注によればこの小説を一晩で書いたとか、 玉突…

病占を学ぶ

病気の占は、 実占においては、 素人が行なうべきではありません。が、しかし、 勉強をする分には、小生は、 その項を読むようにしています。 (易学大講座・・等)それは、 八卦の象や、爻位や、卦意や、 爻辞などの理解が深まるからです。 病気は性的なも…

介福

火地晋の二爻には、 このような辞があります。受茲介福于其王母。 茲(こ)の介(おお)いなる福を其の王母に受ける。大雑把に云えば、 「二は五の福(さいわい)を受ける」 ということなんですけど。朱子の本義では、 こう云っています。 王母指六五。 蓋享先妣之…

バルザックの短篇

最近、 小説を読むと五分で眠ってしまう。 そんな中、バルザック「ファチーノ・カーネ」 に関心を持った。 バルザックの短篇は意外に複雑で、 一度読んだくらいでは捉えられない。 しかし直感的に優れていると感じる。 この「ファチーノ・カーネ」は、 光文…

火地晋と晋三

安倍晋三氏の「晋三」は、 易経の火地晋三爻に由来するという ツイートが複数存在します。中には、 暴君といっているものまで ありました。暴君? 三爻は暴君だろうか。もし云うなら四爻じゃね? 四爻でも異論はありますが。火地晋は、 明地上に出づる卦だか…

晋初六

火地晋初六の結婚占につき、 易学大講座では「見合わせた方が無難」 としています。その占考過程は・・1. 当人同士は好き合っている。 ↓ 2. しかし双方の家の間が纏まらない。 ↓ 3. 婚後も噬嗑で噛み合わせが悪い。・・というものです。大岳氏の講座では、 …

易経通りに

火地晋の占考については、 横井伯典氏がこう述べています。 判断のしやすい卦です。 卦辞の解釈をそのまま用いれば 失敗が少ない。 「卦辞の解釈」ですから、 彖伝の18字で占えばよいのです。晋進也。…卦名を釈す 明出地上。…卦象 順而麗乎大明。…卦徳 柔進…

止められる卦

以下の占例は、 小生が創作したものです。× × × × A君は司法試験に五度失敗し、 今年を最後と勉強に励んできました。模擬試験の出来も上々で、 合格圏内をキープしています。「あとは運だけだ」そう思ったA君は、易者のもとを訪れ、 一筮を乞いました。易者…

判断の大筋

得卦に直面した際は、 マクロからミクロへと、 読み解いていくのが鉄則です。六変筮得卦について、 「易─占法の秘伝」にはこうあります。 六変筮得卦に対する判断を尋ねた時に、 いきなり何爻に坎の爻卦を配していますから、 これこれであろうと思いますとい…

帰魂の卦

紀元書房「易占の神秘」の、 古書をもっているのですが、 未だ読んだことがありません。(今後も読むつもりはありません)ぱらっと見てみますと、 帰魂の卦という文章が、 目に飛び込んできました。× × × × 人の生命を占って、 帰魂の卦を得た時は、 その人…

仏短篇

久しぶりに、 短篇小説を読みました。× × × ×モーパッサン「持参金」*1 太田浩一/訳 光文社古典新訳文庫 ※モーパッサンは文章が笑えます。 個人的見解です。バルザック「グランド・ブルテーシュ奇譚」 宮下志朗/訳 光文社古典新訳文庫 ※モー氏より文学的で…

太陽の来往

晋は運気の上進する卦ですが、 時にこんな占意もありますので、 注意が必要です。 現在好調にある場合は、 近く転落するということもあります。 (柳下「易入門」) これは入門書の文章ですが、 けっこう難しいことを云っています。根拠を考えてみました。晋…

報じれば報じるほど

【新内閣の報道について】日本のテレビを見てよく思うんだけど、「好物はトンカツ」「バスケ大好き」「元東大ボクシング部」などの情報は、本当に必要ですか?過去の言論やスタンスの方が重要じゃないですか。(香港メディアはあまりこういう風に政府官僚を…

字句の穿鑿

火地晋の彖辞に 「康侯(こうこう)」とあります。この「康侯」につき、 民を安んずる侯(きみ)だとか、 史実に基づいた固有名詞であるとか、 その他いろいろな説があります。しかし、 こうしたことにつき、 易学大講座ではこう述べています。 しかし、 さうい…

昭明徳

自昭明徳。 みずから明徳を昭(あき)らかにす。 ── 晋、大象 人は本来、 天からいただいた、 明徳というよい徳を もっています(性善説)。でも明徳って、 すぐに光を失ってしまうんだよね。明の蔽われた状態は、 易卦で云えば、 離下坤上の地火明夷です。な…

晋の障り

以下の写真は、 岩波易経(下) の p.39 ですが、 「また大壮、大有の卦にも・・」 の文章は、これでは意味が通らない。各自、自分で 直しておくとよい。「三四五爻は坎であり」以下は、 火地晋のことを云っています、 当たり前ですが。晋は上へ上へと進む卦で…

恣意を嫌う

これ ↓ は名言だと思います。× × × × 易は偶然性の上に立っているので、 恣意を最も嫌います。初心者や射覆愛好者の 陥りやすい通弊です。 ─── 塚原栄一 × × × × 易経をよく読み、 易経に依拠して「可否」を断ずる。それが一番、 恣意を排せると思います。生…

盗難の占

高島嘉右衛門の占です。× × × × 呑象翁の知人が盗難に遭った。知人が云うのに、 「賊は倉庫を破り物品を盗んだが、 勲章と礼服は私にとっては貴重だが、 賊にとっては困りものだろう」 ということであった。翁、試みに筮すると、 大壮の上爻を得た。断に曰く…

鬼神

久しぶりに、 古書店に立ち寄ったところ、 思わず買ってしまいました。 「鬼神」について、 コンパクトに書いてあります。 「鬼神」は岩波易経の 以下のページに出ています。 鬼神とその吉凶を合わす(乾・文言伝 p.95) 鬼神は盈を害して謙に福いす(謙・彖…

宮台節

9日大竹まこと ゴールデンラジオ!での宮台真司さんの話(メモ) 昔は、総理大臣や学者になって、世の中を変えたい人がいっぱいいた。今は総理や学者になりたいポジション取りのクズが多い・・・これは産業界や若者の様子を見ていても、日本のアニメの変遷を見て…

儲かるか?

ある政治家が、 コロナ禍に乗じて暴利を貪ろうと、 マスクを大量に仕入れました。そして、 思惑通りにいくかどうか、 馴染みの易者に筮を乞いました。易者は、 筮竹を数えて、 大壮の五爻を得ました。断じて曰く・・大壮は陽が盛んで、 利潤の多い卦といえる…