易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

易の資料

小生所有の易研究会・資料は、 けっこう高度な内容であると感じる。 先日も沢天夬の卦を参照したが、 程伝、本義、折中あたりならば、 新釈漢文大系 易経を参照すればよいのだが、 中には引用元のよくわからないものがある。「五陽長盛、一陰将消、亦決之象…

有難や~、古書店

国分寺の七七舎を覘くと、 スタンダール全集がバラ売りされていた。 全12巻中、6巻が店頭で売られていた。 一巻100円也。 あ~、ちきしょ~。 全巻揃いで7,000円で買っちまったよ。 リュシアン・ルーヴェン Ⅰ・Ⅱ もあったから、バラ売りで買い揃えた方が、 …

易者の勘

武隈天命先生の易書には、 実占家にしか書けない文章があって、 勉強になります。たとえば、 次のような占例です。 相談者は27歳の女性で「私の運勢を占ってください」 という内容でした。 因みにこの女性は、親御さんの勧めで今年の4月から 歯科衛生士の学…

結婚後の成行き

昔の研究会で出された占例です。× × × × 婚約が内定している女性に乞われて、 「結婚後の成行き」を占ったところ、 剥之謙を得たとのことでした。爻卦は 乾離離坤離巽 です。相手の男性は、北大を出て、 自動車の設計をしています。女性は四大卒のOL。下々が…

なんでだろ~♪

これ巧いね~笑 都知事サン、ぴんから兄弟みたい。オリンピック出来ないのに、聖火リレーしてるのなんでだろう pic.twitter.com/ldVgJJUvY3— hi (@xx55xx55_hi) 2021年5月27日

剣難の相

大岳著「易学通変」には、 佐久間象山が斬殺された際の、 占話が載っています。象山は、事前に 卦を執っていたらしく、 夬の乾に之く(夬の上爻変) と「通変」には記されてあるのですが、 筮法が何かははっきりしません。おそらく中筮法でしょうか。以下、 …

五輪の強行

地水師は戦いの道を説いています。そして、その第四爻には、 こんな辞がかかっています。師左次。无咎。 象曰、左次无咎、未失常也。小生の岩波易経には、 このような書き込みがしてあります。 これは難(かた)きを知りて退く爻。 戦いに勝つのではない、退い…

夬卦の消長

沢天夬の、 「失せ物」「家出人」の占につき、 柳下「易入門」には、 こう記されてあります。× × × × 失せ物─戻りません。家出人─居所は判りません。 ひょっこり戻ってくることがあります。× × × × 問題はこのように占考してある、 その根拠なのですが・・こ…

笑止

1945年7月26日、連合国は大日本帝国に降伏を要求(ポツダム宣言)。この時点で受諾していれば、広島と長崎の原爆や、8月14日の大阪大空襲などの無差別空襲での数十万人の死は回避できた。だが、当時朝日新聞等が何と書いたか。「笑止!」笑わせるな、と。当…

ワイド版で

ワイド版「赤と黒」岩波文庫。 立川のジュンク堂書店にて購入。 活字が大きいので読みやすい。 じっくり読めます。 著者のスタンダール氏。 小説は若々しいのですが、 これを書いた人はオッサンだぁ。

柔が剛に乗る

易では、 柔が剛に乗っていると、 害をなす小人とみます。× × × × 沢天夬の彖伝に、 柔、五剛に乗ればなり。 とあります。程伝はこう註しています。 柔、消すと雖も、然も五剛の上に居る。 猶お 乗陵(じょうりょう)の象 と為す。 陰にして陽に乗ずるは、非…

怪力乱神

門人によれば、孔子は、 次のようであったといいます。子不語怪力乱神。 子、怪力乱神を語らず。(論語)先生は、 怪異と暴力と背徳と神秘とは、 口にされなかった。 (金谷治/訳)孔子は、 怪・力・乱・神(しん)については、 口にすることはなかったという…

易占とタロット占い

易占には筮前の審事が不可欠で、 「筮前の審事のない易占は90%以上当たりません」 とは某大家の教えです。たとえ「戻る」 という卦を得ても、筮前の審事がなければ 健康体に戻るのか、病気に戻るのか、 得卦だけでは誰も判断できませんから。 しかしかつて月…

あべさだ事件

阿部定事件ってコレか。1936年5月18日 阿部定(アベサダ)事件。東京・尾久の待合で阿部定が愛人・石田吉蔵を殺害、局部を切断し逃走。20日に品川で逮捕 pic.twitter.com/VJ9wImmxyf— 大森博子 Hiroko Ohmori🐟☁ (@11111hiromorinn) 2021年5月17日

占例・益之復

易学大講座の占例をアレンジして、 このような占を創作してみました。× × × × ある人に金を貸すに際して、 三か月ごとに十万円ずつ返してもらうと取り決め、 三十万円貸したのですが、 初回の十万円が戻って来ただけで 連絡が取れなくなってしまいました。残…

恒のない爻

雷風恒を易位させると、 風雷益になります。 ䷟ ䷩ それゆえか、 恒の九三は、益の上九に 対応しています。どちらも巽の上画であるため、 (内卦の極、卦の極でもある) 恒のない爻となっています。おもしろいデスネ。それぞれの爻には、 このような辞がかかっ…

「パルム」を読み続く

岩波、パルムの僧院、 下巻を読み始めましたが、 しょっぱなのエピグラフに誤植あり。 266ページじゃなくて、 307ページでしょう。 最初の章、第14章の、 サンセヴェリナ公爵夫人が、 大公に謁見するシーンはなかなか読ませる。 駆け引きと云い、大公の表情…

良縁の占

「〇〇さんと結婚していいか」 を占って、風雷益の五爻 を得たとします。可否占ですから、 筮法は三変筮です。風雷益は、 中正にして慶びのある卦です。 (彖伝)爻辞に曰く、 有孚恵心。勿問元吉。有孚恵我徳。これは、 よい爻辞です。亀卜や筮に問うまでも…

変易に処する

ネット上には、 易辞の引用が多々ありますが、 この辞は見たことがありません。本日、 易経をぼんやり読んでいて、 「なかなかいいじゃないか☆」 と思ったのでちょっと一筆。× × × × 有孚于飲酒。无咎。 濡其首、有孚失是。 (未済、上九)飲酒に孚あり。咎…

占例・ 履之小畜

易研究会で発表された古い占例を、 会報で読みました。× × × × 占を乞うた人は、 三年前に独立して事業を始めた人で、 使用人が一人います。今後の事業の推移を占って、 履之小畜を得ました。爻卦は 震坎乾坤坎震 です。占者は、 このように占断したと、 会…

易と言葉

ブログでも、tweetでも、 そこに書かれてある易の記事は、 その人の限界を示しています。 辞をよく読む人は辞の解釈をするし、 爻象についても独自の文章を書く。 まだ入門者ならば易書の紹介が多く、 学びの方法論にこだわったりしている。 何についてどの…

挿話の魅力

物語とは無関係なエピソードを、 このようにさらりと挿入してあるのも、 スタンダール小説の魅力です。以下は、 サン・ペトロニオ聖堂における、 ある場面。× × × × 引用: そこを出るまえ、大きな聖母像の前に すわっている老婆に近づいた。そのそばに 鉄の…

死喪の徴

およそ90年前の易書によれば、 風雷益の三爻には 「死喪の徴」があるそうです。爻辞曰、 益之用凶事、无咎。 有孚中行、告公用圭。まず、 大岳氏の占考によれば・・ 「公ニ告ゲ圭ヲ用フ」るのも 葬礼を連想して不吉です。 ・・と敷衍解釈しています。これを…

三は凶多し

三爻は「危地の象」と云われます。危険な位地ということですが、 その根拠は易経にあります。× × × × 三與五同功而異位。 三多凶、五多功。貴賤之等也。 其柔危、其剛勝邪。 (繋辞下伝)三と五とは、功を同じくして位を異(こと)にす。 三は凶多く、五は功…

埋没し、沈黙す

しかし、これほど人間が腐って劣化した時代はなかったと思う。ジャーナリストや、リベラルや、保守や、野党や、学者や、アーティストとか、先頭に立って声を上げなくてはならない人たちが沈黙している。このままだと、本当に日本は滅び行く国になる。と言う…

易占を学ぶために

易占を学ぶためには、 本物を見抜く目。 「虚受人」という態度。 ・・が必要です。「虚受人」は、 咸卦大象にある三文字で、 虚(きょ)にして人を受く。 と読みます。己を虚しくして、人や教えを 受け入れるということです。しかし、頭のいい人ほど、 「虚…

本当の六変筮

会報に載っていた占例を、 かいつまんで書きます。六変筮法。筮前の審事。基準卦。 という論点を含んでいます。× × × × 友人が転んだらしく、 足を怪我して、 入院しているということです。どんな具合かを筮して、 豊之夬を得ました。 (爻卦は上から離坤震…

利貞

夜中に目を覚ましたので、 漫然とツイッターを眺めていると、 乾卦彖伝の文句に目を瞠(みは)った。 おのおの性命を正しくし、 大和(だいわ)を保合(ほうごう)するは、 すなわち利貞(りてい)なり。 (『易経』) ビビン! と、 体に電気が走った。そうか、 利…

スタンダールの前兆

「赤と黒」でも「パルムの僧院」でも、 主人公は “前兆” というものに、 強く惹かれる傾向がある。作者のスタンダール自身が、 そういう人物だったのだろうか。小生は、 次のような文章に魅せられるのですが、 しかし明確に理解できるとはいえません。 こう…

豫の三義

必要があって卦を求めると、 雷地豫だった。岩波易経を見る。と、マルジナリアとして、 こんなことが書いてあった。● 卦辞・彖伝は「あらかじめする」。 ● 爻辞は「悦び楽しむ」。 ● 雑卦伝は「豫は怠るなり」。これは、 過去の自分が、覚書として 余白に書…