晋如鼫鼠。貞厲。
── 晋、九四
ここは、
夜陰に活動して穀物を噛む、
貪欲なる鼫鼠(大ネズミ)の爻です。
この爻は、
陽剛で、不中不正なので、
晋卦において貴ぶところの
「順徳」を失っているのです。
(彖伝参照)
欲によって道を誤りますので、
邪心を改めなければなりません。
(ネズミは欲深い動物です)
また、
ネズミのような悪人にもご用心。
進退の可否としては、
坎険に陥らないよう、
離火の過ちを犯さないよう、
伏卦の山地剥を表出させないよう、
暫く退守していたほうがよい。
× × × ×
赤塚忠先生は、この爻につき、
こう記しておられます。
『詩経』魏風・碩鼠篇によれば、
大鼠は女性の幸運をふみにじる
男性にもたとえられる。
女性が、
「この人と結婚していいか」
を占ってこの爻を得たら、
「断じて不可である!」
と占ったほうがよさそうですね。
財産目当て。
振り込め詐欺師?
なんてこともありそうです。
× × × ×
(おまけ)
ちなみに、
赤塚先生の云う大鼠は、
ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
牧角悦子著『詩経・楚辞』
角川ソフィア文庫
の p.71 に出てきます。