易経を読むブログ

易の 辞・変・象・占 について記しています。読書、日記、時事も。無断転載禁止。

易コラム

蹇蹇匪躬

とあるtweetに 水山蹇の爻辞がありました。王臣蹇蹇。匪躬之故。さて、この句は 蹇の第何爻でしょう? 王臣。 蹇蹇。 躬のことに匪ず。こういうポジションって「二爻」なんだよね、 易ではね。易経を見てみました。やはり二爻でした。おしまい。笑 × × × × (お…

何て読むの?

下の赤線の漢字は何て読むのか、 Twitterで質問している人がありました。写真は「易学大講座」より。 同書において頻出する漢字です。 もし読めなければ調べておきましょう。 古い易書ではよく見かけるものです。 火地晋の二爻にも出て来ます。 オレ は昔、辞…

再掲・素読

過去の記事を再度掲載します。× × × × ●── 素読 愚生が属している易研究会では、 かつて六十四卦を勉強する際には、 キャリアの浅い人から順に指名されて、 岩波易経を声に出して読んでいました。 愚生は一番の新人でしたから、毎度毎度、 初爻の爻辞・小象…

易の帝王学

今朝の毎日新聞のコラムは、 「帝王学の書」から始まっていた。 帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」で知られる 唐の第2代皇帝、太宗(たいそう)は側近の人選を重視した。 「政(まつりごと)をなすの要は人を得るにあり」と、 かつて敵対陣営に…

天に応じる

論語に、 主忠信、徙義、崇徳也。 忠信を主とし、義に徙(うつ)るは、徳を崇(たか)くするなり。 とあります。また、 易経、中孚の彖伝には、 中孚以利貞、乃応乎天也。 中孚以て利貞、乃ち天に応ずるなり。 とあります。この二条は、 同じようなことを云…

言語と争乱

乱の生ずるところは、 則ち言語もって階(かい)を為す。 (易経、繋辞上伝)乱の生ずる所は 言語が階梯(はしごだん)となるものだ。言語が階段となり、 そこから血が上って行って、 争いになるのですね。易経では、 言語をつつしむべきことを しばしば説い…

上弦月と八卦

本日、15時くらいに、 何気なく空を仰いだところ、 半透明の上弦の月を見ました。 上弦の月は兌の象です。 ☱ 上弦の月は、 月が沈むときの形を弓に喩え、 弦の部分(欠けた部分)が 上にあるのだそうで。

野球と易占

2022年のプロ野球日本シリーズは、 オリックス・バファローズが日本一に。 オリックス贔屓で第7戦まですべて見ました。 どの試合も易卦を出しておいて、 それを頭に浮かべながら 「オリが先制したら逃げ切れるけど、 ヤクルトが先に点を取ったらオリの負け」 の…

坎は頭がいい?

武隈天命氏は、ご自身の 著書でこう書いています。 ところで、坎為水や水山蹇 (などの坎☵のある卦) を得た時には『このお客様は頭がよい』 場合が多いですので、その点を 褒めてあげるとよいでしょう。 (「易占の要諦」) 真偽のほどは、 ブログ主にはわ…

卦ではない、人を見よ

「病気を診ずして 病人を診よ」 慈恵医大病院にこんな貼り紙があった。たしかに、 患者を診ずにパソコンばかり・・ という医師は印象がわるい。易占もそうだ。易卦ばかり見ないで、 もっと問占者を見るべきである。問占者を見るだけで、 結論が出てしまうこ…

六十四卦を覚える

自分を振り返りますと、 正式に易占を学ぶ前から、 六十四卦くらいは知っていました。先代・銭天牛氏の 「現代易占術」鶴書房 を読んでコインを振っていましたから。本の小口が手垢で汚れるくらい、 何度も占いましたから、 自然と易卦の名と形を 覚えてしま…

易の雑談

当ブログでは、 「易経を読みましょう」 と再三再四云っていますが、 かく云う愚生も、 初めのウチはなかなか易経を読みませんでした。 読めなかったから読まなかったのです。 岩波と朝日の文庫版易経なんてかなり前から、 持っていることは持っていたのですが…

潜龍かぁ・・

七月の月筮をとると、 乾為天の初爻を得た。 はじめてだなぁ、この辞。 潜龍。勿用。 「潜龍」が象。「勿用」が占。 「龍」は架空の生き物。 「潜」は隠れて現れず、行なって成らない意。 うわべは陽剛であっても、 最下の位地にいるからね。 位が低い。力が…

易書とミス

易書を読むにあたっては、 誤植はつきものです。 易学大講座 ↑ 新釈漢文大系 易経 ↑ こういうの、本当は、 出版社の恥なんですけどね。最近は、 薄利多売のゆえなのか、 開き直っている社もあるようです。けれど、 一言、一言、丁寧に読んでいけば、 読者が…

上下を考える

*思いつきで書きますので 文章はまとまっていませんが。易は「上下」ということを重んじます。 そもそも易は乾坤天地が母体ですからね。 乾天は上で、坤地は下です。 ですから易卦においてもこのような見方をします。 上卦であるか。下卦であるか。 下は身…

女と男と礼

易では、 女が正しく嫁いで、 主として女が正しく家を保つことを とても重んじています。女が嫁ぐ卦である帰妹には、 帰妹は天地の大儀なり(彖伝)。 とあります。家庭の卦である家人には、 男女正しきは、天地の大儀なり(彖伝)。 とあります。女が嫁いで、 …

素読

愚生が属している易研究会では、 かつて六十四卦を勉強する際には、 キャリアの浅い人から順に指名されて、 岩波易経を声に出して読んでいました。 愚生は一番の新人でしたから、毎度毎度、 初爻の爻辞・小象とその註釈を 読み上げたのでした。これはまるで…

一人の夫に仕えて

雷風恒 五爻の象伝に、 こんな文言があります。婦人貞吉、従一而終也。 婦人貞吉とは、一に従いて終るなり。岩波「易経」はこう訳しています。 婦人ならば貞正にすれば吉だというのは、 一人の夫に仕えて身を終ることが その正道だからである。 婦人は、 一…

易の概説

行きつけの喫茶店で、 本田済『易学』を拾い読みしました。 同書の はしがき 冒頭に、 「これは易の概説である」 と一行取りで書いてあります。 この本は文学にたとえるなら、 「文学概論」「文学史」に該当するか。 愚生は文学作品そのものを 読むことに興…

矛盾から永遠へ

坎為水の二~五には離の似象があり、 離為火の二~五には坎の似象があります。 ䷜ ䷝ すなわち、 水の卦は火の象を含んでいて、 火の卦は水の象を含んでいる。また、 水火既済は互卦に未済があり、 火水未済は互卦に既済があります。 ䷾ ䷿ すなわち、 既済は内…

巽順の徳

「ニンゲン、最後は性格ですよ」 という人があります。おそらく、 こういうことなのでしょう。 安きを求むるの道は、 ただ順と巽とのみ。 若しその義順正にして、 そのをること卑巽なれば、 いづくの処にして安からざらん。 (程伝。新釈漢文大系 易経より)…

偽陽と化す

乾為天の上爻は 「悔いあり」なのに、 坤為地の上爻は 「戦う」である。陽が極まっても 悔いるだけなのに、 陰が極まれば それは戦いである。これはどういうことか。愚生未だ結論をもたないのですが、 これもやはり易は陽を主として 考えるからか。陽が極ま…

易は老婆心

パラパラ、易経を眺めていると、 これがナカナカ、面白い。地天泰の三爻に、 平陂(へいは)とあった。 平らな土地が陂(かたむ)くのである。対して、 天地否の上爻には、 傾否(けいひ)とある。 否の状態が傾くのである。泰も、否も、 いずれ極まって傾くのであ…

真の易書は稀

昭和初期発行の書籍の巻末に、 易経の広告ページがあって、 このようなことが書かれてある。 易に関する著書は古来 汗牛充棟も啻ならぬ有様であるが、 多く考証訓詁に終るか、 単なる入門書案内書に過ぎぬ程度で、 真に易に依つて生き、 易を楽しんで玩び、 …

柳下易の要

柳下先生の「易 占法の秘伝」について、 変な書名だなぁと思っていました。「易占法の秘伝」でなくして、 「易、占法の秘伝」なのですから。愚思うに、 易の「占法」の秘伝である、 ということを強調したかったのであろうと。実に「占法」の本なのです。とい…

過剰と不足

某tweetに 「過ぎたるは猶及ばざるが如し(論語)」 を題材にして、 では過剰と不足とではどちらが悪いと思うか、 という問いがあった。・過剰の方が悪い ・不足の方が悪い ・両者は同程度に悪いの三択である。愚生思うに、 過剰の方が悪いと。易ふうに云いま…

晦・冥

プーチン大統領を 易辞に当て嵌めれば、 こんな感じでしょうか。× × × × 不明晦。── 明夷、上六 明ならずして晦(くら)し。冥升。 ── 升、上六 冥(くら)くして升(のぼ)る。× × × × 岩波易経には、 前者は闇晦の君主であり、 後者は昏冥無智である、 と解説し…

プチ 雑占

先週の水曜日、 三鷹の古書店で或る著作集を見た。 全二巻で13,200円だった。 この時は買わずに終ったが、 数日経つうち欲しくなってきた。 ネット上の同書より廉価である。 扨て買えるだろうか。 (誰かに買われてないだろうか) 筮して火風鼎の二爻。 鼎・…

言葉を飾る

[国民座右銘]1943.10.10「文学報国」より1月13日言葉花さくものは必ず実なし 新井白蛾「白蛾冠言」意味:「巧言」と同じ。言葉を飾り立てる者には、真の心はないものである。調子のいいこと、大げさなこと、空疎なことを言う者は信じるに値しない。→— 大森…

湯たんぽ

室温10度の場所で仕事をしている。(貧弱なる暖房器具!)一時期、頻尿が甚だしかったが、 体の冷えが原因とわかった。湯たんぽを股間に置いて、 椅子に座ることにした。あたたかい。どうやら、切実なる 頻尿はおさまったようだ。これを取象すれば、 ䷧ ䷟ あ…