易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

故受之以井

困卦を読み終えましたので、 序卦に従って水風井を読んでいます。タイトルは序卦伝の文言より。井卦の彖辞はざっと、 こんな構成になっています。井、改邑不改井。无喪无得。 井戸はこういうものであるということと(井の体)、 その徳に常のあることを述べて…

君子

「君子」については、 位が高い、徳がある・・といった、 アバウトな理解だったのですが、 貝塚茂樹先生の語釈が詳しかったので、 ここに引用しておきます。引用: 【君子】 「君」は「群」に通じ、 「子」は尊称で、 朝廷の会議に参列できる 貴族たちの総称…

清き一票

31日は衆議院議員総選挙ですが・・ 権限の濫用をする。 身分の低い者を恫喝する。 公文書を改竄する。 国難なのに国会を開かない。 質問に真正面から答えない。 そんな政党以外に一票を投じるつもりです。「清き一票」を。

易経講話のはなし

易経講話を図書館の蔵書で読んだ時は、 旧版(旧字旧かな)で読んでいた。 今、手持ちの同書(五)の奥付を見ると、 平成九年八月十日 新版発行 とある。 これは新字・新かなの新版なのだが、 ちょうど表記を改めたものを買ったのだった。 ところで小生の持って…

コロッケ

府中のけやき並木通りで、 ものまねタレントのコロッケさんを見ました。衆議院議員候補、長島昭久氏の、 (東京18区・自民党) 応援に来ていたようです。二人は友人なんだそうで。どうぞ、写真を撮って、 SNSに上げてくださいとのことでした。

「易経講話」

岩波「易経」、本田「易」を読んでも、 なるほど、なるほど、と思えない人には、 公田連太郎「易経講話」明徳出版社 をお薦めします。全五巻で六万六千円ほどしますから、 図書館で借りて試し読みをしてから、 購入を決めてもよいでしょう。講義形式で、丁寧…

困の上爻

沢水困・上爻の二つの視点。 ① 巽木のてっぺんに乗っている陰爻。 ② 困が窮まって変じようとするところ。これらを意識して、 爻辞を読むことが大切です。占の場合は・・結婚占なら、 第一の視点によって良縁ならず。 安定安心のない結婚生活。 巽木は風に揺…

易経という難関

赤塚忠先生の文章に、 このようなのがありました。 中国思想史を学ぶ者にとっては、 『易経』は必ず通らねばならぬ難関であり、 ・・ 易経のことを「難関」であると、 云っています。そうなだあと小生も思います。小生の場合は、 易経の全ての分野を網羅して…

沢水困と祭祀

以前のブログで、 「祭」は天の神様。 「祀」は地の神様。 「享」は人の霊魂。 をまつることだと書きました。実際、沢水困では、 このように使い分けてあります。利用享祀(九二) 利用祭祀(九五)思うに、 二爻は祭主の位だから「享」字、 五爻は天神の位…

爻辞占の論点

沢水困・五爻の病占につき、 大岳氏の著書にはこうあります。 永患ひの者は恢復への一歩を踏み出すに反し、 急病の者は頓(とみ)に悪化して生命危篤の惧れがある。 (「易学病占」) 爻辞曰。 劓刖。困于赤紱。乃徐有説。利用祭祀。困の五爻は、 今は困しい時…

満月と猫

ボードレールにしては わかりやすい詩です。引用: 夜もふけていた。まあたらしいメダルのように 満月が空にかかっていた、 そして夜のおごそかな気配が、河のように、 眠るパリの上を流れていた。家並にそって、表の戸口から戸口の下を 猫どもがこそこそと…

よいツイートだ

[国民座右銘]1943.10.10「文学報国」より10月21日 孔丘(孔子)生徳は孤ならず、必ず鄰(となり)あり 孔丘(孔子)『論語』 →— 大森博子 Hiroko Ohmori🐟⛅ (@11111hiromorinn) 2021年10月20日 たしかに現代は「徳」といっても、 不徳、悪徳、背徳のオンパレ…

本田済「易」

小生は岩波文庫の「易経」を、 基本書として使用していますが、 本田済「易」もいい本ですね。小生に三変筮を薦めてくださった先生は、 この本田「易」を使っていたそうです。岩波だと辞の解釈が中心ですが、 本田易の方は、卦・爻・辞の理解が 可能になると…

「政党」で選べ

宮台真司先生が、 大竹まこと ゴールデンラジオ!に出演していて、 31日の衆院選についてこう云っていました。宮台氏の発言: 候補者個人の公約なんて意味がない。 (どうせできっこない) 改ざんと恫喝をしない政党を選ぶこと。 :発言終り我が国の政治家は…

祭・祀・享

祭・祀・享は、 どれも「まつる」ですが、 厳密に使い分けるとすると こういう違いなのだそうです。 「祭祀」は、「祭り」の義。 「祭・祀・享」は皆 「まつり」(祭)であるが、 分説すれば、 「祭」は天神を、「祀」は地祇を、 「享」は人鬼をそれぞれ祭る…

気運を見る

爻辞占といっても、 爻辞を見るだけではなく、 卦義・卦象。爻位・爻象。 気運の推移。・・等を 見ねばなりません。その気運の推移ですが、 例えば、沢水困の四爻については、 こんな記述があります。 爻位は卦の半ばを過ぎ、 困苦が稍々薄らぐ気運にありま…

石抱責の拷問

沢水困の三爻は甚だ悪い爻です。爻辞曰、 困于石。據于蒺蔾。 入于其宮。不見其妻。 凶。困の三は、 「陽のために掩はれて窒息する象」 です(加藤大岳氏)。 ䷮ 爻象で云えば、 四の石を承(う)け、 二の蒺蔾(とげいばら)に乗っています。石は剛鹵(堅い土)で…

蛆虫の合唱隊

愛する女性を描いた詩なのに、 ボードレールにかかるとこうです。引用: 死骸めざして這い寄る蛆虫(うじむし)の合唱隊のように、 私は進んで攻撃し、よじ登って襲いかかる。 私にはいとおしいのだ、おお情容赦なく残酷な獣(けだもの)よ! きみを私には一…

義理婚

結婚の可否を占って、 沢水困の二爻を得たとします。爻辞曰、 困于酒食。朱紱方来。 利用享祀。征凶。无咎。 象曰、困于酒食、中有慶也。困は困窮の卦。その第二爻ですが、 酒食だろうが、何だろうが、 「困しむ」って云っていますから、 結婚してはだめです…

悪の華

久しぶりに読んだら何故かハマって、 ボードレール「悪の華」を読んでいます。・集英社文庫 安藤元雄 訳 *1 ・ちくま文庫 阿部良雄 訳 ・岩波文庫 鈴木信太郎 訳 ・旺文社文庫 佐藤 朔 訳どれもよい本ですが、 一冊だけ読んでいてもわからない。そこで、 注…

鬼神と交わる

高島呑象翁は、 以下の卦・爻を得た際には、 必至純一を以て神明に祈るときは、 福を受けられるとしています。 按ずるに、 凡そ人の困窮厄苦に遇ふや心志純一にして、 它(た)を視るに遑(いとま)あらず。 故に必至の純念を以て神明に禱(いの)るときは、 同徳…

大岳氏の易占

易の研究はかくあるべしと、 加藤大岳氏は記しています。 (易の研究を大別するならば) 一は易を思想的、哲学的、倫理的な立場に於て研究しようとするもの ── 即ち、学として、教へとしての易に対する研究であり、一は易の機構の微妙なるを占断の用に立て、…

易の繋がり

沢水困の下卦三つの爻は、 それぞれこんな卦を伏しています。 ䷮ 初爻の伏卦は兌為沢です。 口を重ねる象より、 彖伝の尚口乃窮也にならないよう。 べらべらしゃべると窮することに。二爻の辞には利用享祀とあります。 これは伏卦の沢地萃を見ているのでしょ…

今年も一年が早い

一年が早いと感じる人が多くなったのではないか。 それはテレビが作り出す〈空気〉のせいだろう。オ・タニさ~ん。イッツ、翔タ~イム。 選挙権のない総裁選につき喧々諤々。 熱いとか寒いとか感情語を多用する気象情報。 お笑い、ジャニーズに牛耳られたNHK…

酒食の爻

困の二爻に、 困于酒食とあります。 酒食に困しむ。 易中飲酒をいうは多くは時を待つ意。 (鈴木由次郎) ということです。飲酒は、およそ、 需九五。困九二。漸六二。未済上九。 に出て来ます。時運の転換を待つ。 泰然として、道を楽しみつつ。 ・・という…

雷電皆至る

ネットが繋がらず、 テレビの特定chも視聴不可に。昨日までのことです。業者に連絡すると、 ケーブルTV回線の機械が、 古くて故障していたことが、 判明しました。一週間かかって、 原因究明・修理がなされたのですが、 事前に卦を取りました。「直るか」で…

穴の下

沢水困の初爻には、 このような註釈があります。 初六在坎下、故為入于幽谷、 即坎初爻入于坎窞也。 (項安世) 意訳すると・・沢水困の初爻は、 坎の下爻なので、 「幽谷に入る」というのだ。 これは坎為水の初爻が、 「坎窞に入る」といっているのと、 同…

之卦に行かせない

ある夫婦の今後の成行きを占って、 乾之夬を得たとします。(六変筮です)相談したのは妻の方で、 ご本人は別れたいと思っている。之卦の夬は決裂ですから、 このまま放っておけば、 別れる運勢にあります。しかし、 妻に経済力がなく、 一人で生活できない…

黙っていなさい

困、亨。 貞、大人吉无咎。 有言不信。 ── 沢水困、彖辞 「困、亨。貞、大人吉无咎」 これはよく見る文言ですね。しかし、 普通の人は不自由を覚悟した方がよい。「有言不信」 こんな珍しい文言があります。 それだけ重要だというのでしょう。困窮という時に…

水の花

ボオドレエル「噴水」より 華やぐ月の 色添へて、 咲き乱れたる 水の花、 涙の雨と 降り灑(そそ)ぐ。 齋藤磯雄 譯