易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

周易

艮と死

艮の象意に、 宗廟。墓。仏壇。 とあります(柳下・易入門)。重症者に得たら、 “死” という判断も、 当然ありうるだろう。説卦伝には、 艮止也(ごんは シ なり)。 とあるから、 艮は “死” なり。 と通用もできそうだ。「艮は止まる」なにより、 呼吸・心…

循環する運勢

易卦は セット で理解しておくと、 よい場合があります。たとえば・・ 乾と坤 泰と否 晋と明夷 損と益 既済と未済 ・・etc.その他、 夬と姤なども迷ったのですが、 とりあえずは、 これくらいでいいでしょう。明夷は苦しみつつ辛抱する卦ですが、 「明夷を得た…

月幾望

今日は中秋の名月で、 ちょうど満月に当たるそうです。月幾望。 月・望に幾し(月は満月に近い)。易は望(満月)を嫌いますが、 月幾望という辞が、 小畜上九。帰妹六五。中孚六四。 の三ヶ所に出て来ます。月は「陰」の象徴です。月幾望という辞をかけた 聖…

失せ物占の基本形

失せ物占(三変筮)は、 まず「見つかるか」を占って、 見つかると判断できたら、 「ではどこに在るのか」 を占うとよいです。その方が判断しやすいからです。しかし多くは、 「〇〇を失くした。 そこで筮に問うたところ、 ××××という卦を得た」 と占が乱暴…

看板を下ろす

「ジャニーズ事務所が社名変更へ」・・と、こんな ニュース を見た。これを易卦で云えば地山謙かな? ䷖ ䷎ 卦形を見れば一目瞭然、 看板(艮)を下ろしていますから。山地剝の独陽を 、 ジャニー 喜多川氏に見立ててもいいね。 一陽上に在り、衆陰の順承を得る。 (俞琰)…

乾坤は天地であり父母卦である

どの卦にあっても、 初九、九二、九三、九四、九五、上九は、 乾為天の、 初九、九二、九三、九四、九五、上九の 気分をもっている。坤為地の、 初六、六二、六三、六四、六五、上六も またしかり。公田連太郎翁は、 「気分」という言葉をよく使いますが、 …

上級者の易占

三変筮と六変筮と、どちらが優れているか、という議論は不毛である。両者は優劣の違いではなく、単に占的の違いだからである。可否占ならば三変筮を用い、推移・成行き占なら六変筮を用いる。それだけの話だ。 しかし優劣とは別に、上級者になればなるほど、…

応爻比爻について

応爻は陰陽が応じていれば それは良い関係である(卦にもよるが)。 それに対して、 比爻の陰陽関係は あまり良くは見ないのだ。なぜかといえば、 応爻は天・人・地の関係であり、 社会的であり公けな関係なのに対して、 比爻は膚の触れ合う隣同士であり、 …

比と師

水地比と地水師は綜卦(反卦)で、 ともに一陽五陰卦ですが、 一陽の位地が異なっただけで、 親しむ、戦うと、まるで 違う運勢が生じています。 ䷇ ䷆ 水地比は、五の天子に向かって 群陰の民衆が親しんでいます。 古人は北極星に集まる星々 とこの卦の象を見て…

星は天の穴

兌には星という象意があります。 ☱ 乾天の上に、一陰の穴が 開いているからでしょう。星は天の穴です。吉行淳之介に 「星と月は天の穴」 という小説があります。

吉字にご用心

帝乙帰妹。以祉元吉。── 泰六五 「以て祉(さいわい)ありて元吉」とあるからといって、 無闇に大吉判断をしてはいけません。こうした五爻の辞は、 安泰が崩れた時にどうするのか? が書かれてあるのですから。いわば、 「衰運」における アドバイス (上六にな…

易占のテキスト

黄小娥「易入門」 井田成明「現代易入門」 鹿島秀峰「現代易占詳解」 立野清隆「サイコロを使った 実占・易経」 銭天牛「すぐに役立つ 銭流 易経」これらは、 易占のおすすめ本として ネット 上でよく見るものです。しかし、 これだと卦の理解が 少し浅いように…

正妻とお妾さん

易経の序卦は、 漸→帰妹と続いていきます。漸は妻になる卦で、 帰妹は妾になる卦です。卦の形は同じなのに、 上下がひっくり返っただけで、 六爻の爻位が変わっただけで、 上卦下卦の配合が変わっただけで、 このような違いが生じるのです。 ䷴ ䷵ 卦辞によれ…

易経が近道

昔の漢学者はこうだったようです。 父はつねづね、 「四書五経の文句は諳記していないといかん」 と言っていた。 (本田済) しかし、 江戸末期、明治期の知識人ならいざ知らず、 現代の一般読書人、それも中高年の人ならば、 まず易経から始めればよいと思…

「易学発秘」

加藤大岳「易学発秘」紀元書房 は古書でしか入手できませんが、 読んでおくとよい本です。 そして、読んで理解するだけでなく、 身に付けてしまうのがよいのですが、 独学だと難しいかもしれません。 一番いいのは、 易学教室だとか、易研究会に属して、 自…

易占の勉強は・・

易占の勉強は、 可否を占って易経で答えを 出せるようにするとよい。 まず可否占を学ぶのですよ。 易経も読めない レベル なのに、 私がこの世に生まれてきた理由、 なんて占ってもねぇ・・ なんも答えは出ないよ。 それと互卦、之卦を出して、 卦意をつなげて…

易占と信仰

昔の、 易研究会の資料の余白に、 過去の ワタクシ が書いた、 メモ 書きがありました。 まず氏神様を祀ること。 神棚と仏壇のお参りは毎日せよ。 これは易占をする者は・・ ということだったと思います。そのほかにも、 このように教わりました。 キリスト教でも…

易という書物は

易という書物は、 辞(文字)だけを見ていても 理解できません。文字のほか、 卦の カタチ、象、爻位、陰陽、音通・・なども、 見なければ。そういう珍しい書物なのです、 易という書物は。 書不尽言、言不尽意(繋辞上伝)。 書は言を尽くさず、言は意を尽くさ…

朱子の註を読んだ

坤為地の卦辞はこうです。坤、元亨。利牝馬之貞。 君子有攸往、先迷、後得主。 利西南得朋、東北喪朋。 安貞吉。これにつけられた、 朱子「周易本義」の註を読みました。せっかくなので載せておきます。 ⚋は耦(ぐう。偶数)なり、陰の数なり。 坤は順なり、陰…

オーソドックス な周易

断易、タロット、日盤鑑定・・が メイン で、 周易は サブ 的に用いるという方は、 また違うのでしょうが、 周易を専門にされる方には、 「岩波易経」「本田易」「今井易経」等を読み、 「易学大講座」「易入門」「易 占法の秘伝」 を テキスト とされることを推奨し…

貞と孚について

乾為天(有料記事)では書きませんでしたが、 柳下「易入門」の p.116 に、 「貞」の三つの意味が書いてあります。貞は易の重要 ワード なので、 「易入門」を読んでよく理解しておくとよい。真勢易では、 貞とは、正常固の三義を具せり。 と云っています。貞…

爻辞占の論点

前々回の ブログ で、 とりわけ、可否占の腕を磨きましょう。 と書きました。可否占だから筮法は三変筮であり、 三変筮だから原則として爻辞占なのですが。たとえば、 五爻は上卦の中位にあるため、 比較的よい爻辞がかかっていますが、 そのまま吉判断するこ…

「易占とは」

そもそも易占は、 可否・成否(三変筮)。 推移・成行き(六変筮)。 を占うものです。可否・成否。 推移・成行き。易占においては、 これらを占いましょう。前者は三変筮を用いて。 後者は六変筮を用いて。こう書きましたが、 ここまでのことが、 出来てな…

他人の占例を見て

ネット の占例を見ていると、 こんなことがありました。その占例は、 ・転職したらどうか。 ・今の職場に残ったらどうか。 という転職占でした。後者に得たのが、 地風升の初爻だったそうですが、 解釈を読んで オレ が思ったのは、 得卦は水風井の初爻なんじゃな…

薄れゆく関心

最近、ネット 上で、 新井白蛾、真勢中州、高島嘉右衛門、 加藤大岳、柳下尚範・・等の名を 見なくなった気がします。 ブログ や tweet においても これらの名前の出ることは、 極めて マレ になったようです。 過去に学んでいた人も、 出だしは勢いがよかったが、…

白く飾る

「山火賁の爻辞には いくつか白が出てきます」こんな tweet をしている人がいました。 よい読み方をされている・・と思いました。 初爻。四爻。上爻。雑卦伝。 これらは「白」の表現ですからね。 華美に流れる、体裁を飾る・・よりも、 白い、自然の飾りの方…

幻の易学大講座

易学大講座は加藤大岳氏の 若かりし頃の著作なので 改訂の必要があったようだ。 改訂者として某氏が選ばれたが、 氏は長いこと熟慮した結果、 「いや、これはこのままでいいでしょう」 という結論に達したということで、 全面改訂されることはなかったのです…

有料記事

はてなブログで 記事の有料販売が 出来るようになりました。なので時々 六十四卦の有料記事を 書いてみようかと。たとえば・・柳下「易入門」p.123 の、 水雷屯の家出人の占考例に、 家出したものの、 困まっていますが すぐには戻りません。 とありますが、…

或る明夷説

昔読んだ説なのですが、 すっかり忘れていたので、 再度確認してみました。「明夷」についての説です。 オレ は ムツカシイ ことは苦手なので、 写真を載せるだけにとどめておきます。

明夷という卦

地火明夷は 明が夷(やぶ)られるという卦。 明夷は外より為される破敗である。 (真勢易秘訣) ䷣ つまり、 上卦(彼)の坤暗によって、 下卦(我)の離明がやぶられるのです。会社員なら、 無能な上司のために才能を発揮できないし、 それどころか害されるという…