易経を読むブログ

易の 辞・変・象・占 について記しています。読書、日記、時事も。無断転載禁止。

周易

日筮が坤為地

日筮が坤為地だったら・・ 陽気が全滅しているので、つまらない一日。 会社員なら、宮仕えに徹しましょう。 自己主張しないで。 こんな日運です。

風地観について

風地観は、 卦名の「観る」をもって、 占うことは少ないようです。それより、 下から陰気が伸びて来て、 運勢の衰えてゆく消長卦として、 見ることのほうが多い。 ䷓ そして、もはや 山地剝の運勢を含んでいると。また、 易研究会の ベテラン 先生は、 上巽、下…

「おみくじ」との違い

「〇〇していいか」を占って、 山天大畜の上爻を得たとします。爻辞は、 何天之衢。亨。岩波易経には、 「道が大いに通じようとする時期」 「自由に通達する」 とあります。よい辞がかかっています。ということで、 「やってよい」と占いますか? まあ、 そ…

可否を占うべし

髪の毛を染めようと思うが、 扨て、白髪にしようか、黄髪にしようか。布卦して、 白髪→山火賁の上爻 黄髪→離為火の二爻 を得たり。笑さあどっちだ? ・・って占うんじゃなくて、 まずは「染めることの可否」 を見ておくべきなのだ。そして、 「染めていい」…

易占と独学

柳下先生の高弟の方が、 ある小冊子にこう書いています。 先生には、 ・筮前の審事 ・占的の確立 ・筮法の選択 を厳しくご指導戴きました。 愚思うに、この三点は、 『易・占法の秘伝』において、著者が 一番云いたかったことではないかと。『新釈漢文大系 …

亢ぶる陰

乾為天の上九は、 純陽の卦の高所に在って、 亢龍有悔。雷山小過の上六象は、 陰が過ぎる卦の高所に在って、 已亢也。陰陽どちらも、 高い位地だと亢(たか)ぶるんだけど、 陽が「悔あり」なのに対して、 陰は「災眚」があるんだよね。 (爻辞を見てくださ…

穴に在るを取る

易経を読んでいて、 こんな占を思いついた。占的: 気象情報によれば、 明日の長野県北部の天気はぐずつく模様。 氷上ワカサギ釣りに行く予定なのだが、 雨は降らないだろうか。 雨なら中止にしようと思うが。得卦: 雷山小過の六五爻辞: 密雲不雨。自我西郊。…

武隈氏の本より

武隈天命『易占の要諦』より、 氏の占例を紹介します。× × × × 相談者は83歳の女性。 「半年前から咳が止まらない。 現在 A病院に通っているが、 1ヵ月経っても咳は治らない」 というご相談です。天命氏は、 このまま A病院に通っても よくはならないと感じ…

爻辞と之卦の矛盾

地水師の六三は、 師或いは尸(かばね)を輿(にな)う。凶。これは凶占です。しかし伏卦は地風升なので、 運気は徐々に伸びてゆく? これは矛盾です。さりとて、 地風升を之卦とみて、 今は凶だけど、やがて吉となる。 と占うことはよろしくない。現代易で…

大成卦を見る法

柳下『易・占法の秘伝』に、 「大成卦の象の見方」p.359~ が載っています。項目を書き抜いてみますと・・ 内卦の象と外卦の象。これは彖伝・大象伝の見方です。 大卦。たとえば風沢中孚は大離の象です。 包卦。風火家人、火沢睽は乾をもって坎を包む卦です…

男の同性愛

呑象・高島嘉右衛門は、 雷山小過に男色の象を見ています。 ䷽ 長男☳が少男☶の上に動くから と翁は記しています。愚思うに、 二陽が ピタリ とくっついて、 溺れている形でもありますしね。同性婚の是非が問われる現在、 こういう取象も必要かもしれません。し…

憧れの筮法

三変筮の特長につき、 柳下先生はこう述べています。 三変筮法の利点は、なんといっても 他の筮法と較べて、操作が簡単であり、 (操作が)大へん覚えやすく、また 卦を起すのにあまり時間を要しない、 ということです。 そしてこの筮法に通じますと、 筮竹…

「易・占法の秘伝」の難しさ

柳下「易・占法の秘伝」が絶版となり、 それでも読みたいという人は、 ウナギ上りであったのに、イザ 復刻本が 出版されて入手可能となると、パタリ と同書を語る人は消えてしまいました。 ネット においては同書の「内容」について、 語られることは皆無であるよう…

同徳相応

義理易の応爻には、 同徳相応という考え方があります。 柳下「易・占法の秘伝」p.118 に その説明がありますから、 読んでおくとよいでしょう。 最も、易経を読んでおられるなら、 当然ご存じなはずですが。 知っておくと占に使えます。 占にどう応用できる…

「応」について

少し前に 「易経十翼に応比はない」 というtweetがありました。 「応」は柳下『易・占法の秘伝』の p.111~ にあるように、 易緯乾鑿度に出て来る術語です。 また艮為山の彖伝には、 「敵応」という語がありまして、 応爻と解することも出来そうです。 とす…

謎の爻辞

この爻辞(小過六二)を、 声に出して読んでみると・・♪その祖(そ)を過ぎ、その妣(ひ)に遇う。 ♪その君に及ばず、その臣に遇う。 ♪咎なし。波のような、リズムのある句ですが、 意味としては、何のことやら? と思ってしまいますね。朱子も本田済先生も、 …

鳥の ワザワイ

雷山小過の初六は、 飛鳥以凶。飛び上がって 九四に応じようとします。しかし卦辞の 上(のぼ)るに宜(よろ)しからず。 に反しますから 凶判断になるのです。それはいいのですが、 朱子の周易本義は、この爻に こんな註をつけています。郭璞(かくはく)《…

六爻皆陽

乾為天は六爻すべてが陽なので、 絶好調な運気に思えるのですが、 実占家はあまりよい判断をしていません。 表面よく見えて 内実の之に伴はぬ憾みがある。 また進み過ぎて難儀を生じ易い。 (加藤大岳)期待できても、 実際は順調に進まない時・・ (柳下尚…

占者の実力が問われる

結婚や離婚の可否を占って、 雷山小過が得られたら・・柳下「易入門」には、 和合をえられないし、良縁ではありません。 と書いてあります。 ䷽ 正艮倒艮で彼我が背を向け合っている。 飛鳥の象で別れの暗示がある。 ということなのでしょう。確かに良い縁で…

貞の三義

貞字を古い意味の「卜問」とする人がいますが、 当ブログでは、真勢中州の云うように、 「貞とは、正常固の三義を具せり」 として読んでいます。貞正・貞常・貞固として。詳しくは、 柳下「易入門」p.116 岩波「易経 上」p.71 をお読みください。そして当ブ…

岩波の誤植

岩波「易経 下」p.78 10行目 に誤植があります。【誤】損下益上 【正】損上益下 風雷益の彖伝を参照のこと。旧版では「損上益下」となっていますから、*1 新版に組み替えた際の見落としでしょう。「損下益上」は山沢損ですからね。この誤植は、 易の研究会で…

飛鳥之象

たしかに、雷山小過は 鳥が飛んでいる形ですね。 ䷽ 見えるのは三・四の胴体だけで、 初・二、五・上の両翼は 羽ばたきしていて半透明。易研究会では、 「占においては、初爻と上爻に注目せよ」 と教わりました。初と上は、 飛び上がってはいけないのに、 飛…

反対の意味をみる

易には反対の意をみるという ムツカシサ があります。たとえば・・ 咸の五爻は感じない。 大壮の五爻は壮を用いない。 泰・既済の上卦は乱れる。 否・未済の上卦はととのう。 損の上卦は他からの益あり。 益の上爻は損に転じる。 不摂生だから節が出た。 傲慢不遜…

同卦異占

真勢中州は二つの病占において、 同じ 明夷の泰に之く を得て、 一方を平癒の占とし、 一方を必死の占としています。 ䷣ ䷊ 参考になると思いますので、 写真を読んでみてください。↓ 加藤大岳「易学病占」 これは、 筮前の審事の違いによって、 生死の別が生…

卵が孵って鳥が飛び去る

雷山小過を読み始めましたが、 柳下「易入門」によれば、 この卦を得たときの運勢はこうです。 永年、目をかけてやった者が、 足元から離れていくことがあります。 これ、 序卦断法を使って、 「中孚が小過となって飛び去る」 が根拠なのではないか。 (錯卦…

まさに錯綜

『易学大講座』 第八巻 p.228 に誤植があります。×綜卦 ○錯卦 「綜」ではなくて「錯」です。

易の帝王学

今朝の毎日新聞のコラムは、 「帝王学の書」から始まっていた。 帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」で知られる 唐の第2代皇帝、太宗(たいそう)は側近の人選を重視した。 「政(まつりごと)をなすの要は人を得るにあり」と、 かつて敵対陣営に…

学のない信

信を好みて学を好まざれば、 其の蔽(へい)や賊(ぞく)。── 論語学のない信は、 信ずべきでないものを固く信じて、 物事を害するようになる、 というのでしょう。程伝は、 中孚上九の註釈において、 この論語文を引いています。中孚の上爻は、 ・信が極ま…

書き下し文

今井宇三郎「新釈漢文大系 易経」 本田済「易経講座(程伝)」この二冊は、 そんなに漢文法を知らなくても、 読めるテキストです。↓ 本田済「易経講座」 文語訳を読めばいいからです。 (「易経講座」には口語訳もある)ナニ? 文語訳に抵抗がある? そんなの…

六爻を俯瞰する

たとえば、 風沢中孚の 六爻の辞はこうです。× × × × 初九、虞吉。有它不燕。 九二、鳴鶴在陰、其子和之。我有好爵。吾與爾靡之。 六三、得敵。或鼓或罷、或泣或歌。 六四、月幾望。馬匹亡。无咎。 九五、有孚攣如。无咎。 上九、翰音登于天。貞凶。余談です…