2020-01-01から1年間の記事一覧
地火明夷の六爻を総論すれば、 以下のようになります。 蓋し離の体を至明の徳となし、坤の体を至闇の地となす。下三爻は、明にして闇の外に在り、故に遠近高下に随つてこれに処すること同じからず。六四は柔正を以て闇地に居りて尚浅し、故になほ以て意を遠…
ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 三浦國雄 著『易経』 角川ソフィア文庫 × × × × この本で易占をするのは、 入門者には難しいと思います。たとえば、 同書によれば、 明夷の卦辞はこうなっています。 明夷。艱(なや)みの貞(と)いに利(り)あり。 明夷。艱難のことを占…
神保町に立ち寄って、 古書店で易経を買いました。 (H書房ではありません)人様にお薦めは致しませんが、 廉価でしたので。易経は、 今持っているモノを読めば、 それで十分と思っているのですが、 ツイ買っちゃうんだよね。
安岡正篤「易学入門」これは好きな易書です。膨大な勉強があって、 それが数行に集約されている といった感じの文章。つまり、 奥行、深みがある。資料を集めて、 3年位かけて読み、 それを整理整頓すれば、 優秀な人ならすぐに「論文」は書けるでしょうが、…
周易において、 五行の生剋を用いるかと云えば、 小生はなぜか沢火革で用いることがあります。 これは革の彖伝に「水火相息(ホロ)ぼし」 とあるためだろうか。 たとえば日筮で革を得たら、 離下兌上は火剋金なので 兌金が溶けるとして、 「無駄遣いに注意」と…
バルザックは、 建物とか人物とかを事細かに、 もううんざりというくらいに観察し、 描写するのであるが、その人物描写には、 人相術も取り入れられている。 バルザック全集「村の司祭」の訳注には、 こうあります。 八八頁 ラヴァター スイスの神学・哲学者…
結婚を三変筮で占って、 地火明夷の三爻を得たとします。明夷。 于南狩。得其大首。 不可疾貞。 ━━ 明夷、九三 占的が、 「あの人と結婚できるか」 なら爻辞の通りに占えばよい。明夷の時だが、 困難に打ち克って成ることあり。 急がぬこと。・・てな具合に…
角川ソフィア文庫から、 吉川幸次郎「論語上下」が出たようだ。書店で手に取ってみたが、 一冊がけっこうブ厚い。朝日文庫の三分冊を持っているから、 結局買わないことにした。吉川先生は、 ただの学者ではなくて、 詩人的な感性の人だというのが、 小生の感想…
三日かけて一つの爻辞を読んでいますが、 一日目に学んだことのメモです。× × × × 地火明夷の三爻は、 武力を以て暗主(上六)を討つ爻なんだけど、 離は戈兵だし、離の上は激烈だからね。 よく見ると二から上には師の象がある。 それから離下坤上の形をもって…
射覆(せきふ)というのは、 例えば布で覆われた品物の名前を、 易占して当てることです。射覆は易の講座や研究会などで、 よくなされるものです。はたして、これは、 余興としてなされるのか、 象取りの訓練としてなされるのか、 小生の知るところではありま…
我が易のテキストです。 易学大講座 ↑ もはや新本では買えません。 読んでいる人も少ない。 新釈漢文大系 易経 ↑ こちらは入手可能。 代表的な註釈がお手軽に読めます。
今夜は野球がないので、 途中からでしたが見ていました。johosokuhou.com木村草太先生なんて久しぶり。
地火明夷の辞には、 文王と箕子が登場しますが、 箕子の方は論語にこうあります。 微子(びし)これを去り、 箕子(きし)はこれが奴(ど)と為(な)り、 比干(ひかん)は諫(いさ)めて死す。 孔子の曰わく、殷に三仁(さんじん)あり。〔殷王朝の末に紂王が乱暴であっ…
易を学んでいると、 名文章に接することがあるのですが、 これなどもその一例でしょう。 日暮れて道遠し・といふ句がありますが、私の講義も、些(いささ)か其の憾(かん)が無いではありません。 もつとも、夜道に日は暮れない・ともいふので、気永に夜道でも…
写真はバルザック「海辺の悲劇」のとあるページですが 訳文の語彙が難解であるし活字もちっこいから読みにくい。 写真を見るとわかるけど活字も滲んでいます。岩波文庫です。 バルザックの文章はパワフルで毎日焼肉を食べているような 胃もたれを感じるので…
易位生卦について、*1 「易─占法の秘伝」では、 こんな例をもって説明しています。大雑把に云えば、 長女が、 家業を継いだ方がよいか、 家を出て他所で働いた方がよいか、 という例をもってです。 蠱 漸 ☶ ☴ ☴ ☶ 蠱は、 巽の長女が艮の家内にありますから、…
以下の写真は、 赤塚忠「易経」の、 地火明夷のページです。この中の「暗愚な君主」とは、 六爻でいえば上六をいいます。 ☷ ☲ この上六によって、 他の諸爻の明が夷(やぶ)られるのです。内卦の爻辞には、 それぞれ文頭に「明夷」とあり、 外卦の四爻五爻には…
地火明夷の失せ物占では、 このように見ることがあります。 発見しにくいとします。三ヵ月以後になって発見することもあります。 (柳下「易入門」) 「発見しにくい」というのは、 明が地下に没する象だからです。「三ヵ月」は、 30日、3年・・でもいいので…
地火明夷の辞には、 周の文王が出てきますが、 文王は繋辞下伝にも登場して、 数年ぶりに読んでみたところ、 改めてその内容に納得したのでした。岩波の訳を載せておきますので、 読んでみてください。 易之興也、其当殷之末世、周之盛徳邪。 当文王与紂之事…
地火明夷は、 国が正常ではない状態ですが、 ちょっと今の日本を思わせます。論語では、 无道(むどう・無道)の世に処する法を こう述べています。× × × × 子曰く、 邦(くに)道有れば、 言(こと)を危(ただ)しくし行(おこなひ)を危しくす。 邦道無ければ、 行…
10時まで易書を読みました。 朝、1時間の日課です(週6日)。 昼は散歩します。 やはり 1時間くらい歩きます。× × × × こういう時間が取れるのは、 幸せなのかもしれませんね。
易経を読むとは、 易経そのものとその註釈を読むことが、 本筋であると思います。これは単なる「知識」ではなく、 本質的な「理解」「深さ」ですから、 時間がかかるのです。過去にこんなことを 書きましたので引いてみます。× × × × 易経を読むことにつき、…
地火明夷の卦辞は、 明夷、利艱貞。 です。卦辞において、 「利艱貞」といっているのは、 ここだけだそうです。 李舜臣曰く。 易卦において「利艱貞」の辞は、 皆爻にかけてあるのだが、 (噬嗑の九四、大畜の九三) 明夷だけは一卦全体にかけてある。 これ…
「易─占法の秘伝」も、 ようやく p.284 まで来ました。 (真勢流の生卦法)時間の空いた時に、 2~3ページくらいをじっくり読む、 といったペースです。1ページを、 30分かけて読む、 ということもあります。この本は、大事なことが さらりと書いてあるので…
[多? 少?]定年でやめた辰野隆(ゆたか)が蔵書を東大に寄附したが、「たくさんのフランス書のなかで本当に読んだのは、300冊もない」というと、内田百閒「へえ、フランス文学には、そんなに読む本がありますか」 pic.twitter.com/NQhnz5czDp— 大森博子⛅ …
火地晋は、 柔を善(よ)しとし、 剛を悪(にく)みます。なぜなら、 進む勢いの強い卦ですから、 剛強であれば中庸を失って、 激突してしまうからです。 趙汝騰曰く、 下の三爻は皆柔順にして坤体にある、 故に初と二は吉、三は悔亡ぶ。 四と上は陽を以て位に当…
火地晋の上九には、 角(つの)が出てきますが(晋其角)、 その取象にはいくつかあります。 上爻の剛を角と見た。天風姤の上九も同じ(姤其角)。 伏している震☳は角の画象である。 離を牝牛(離為火)となし、☲の一番上だから角。 易経を読むと、 観象の勉強に…
易学大講座に 心すべき文章がありますので、 引いてみます。 かうした常道的判断は、多少専門的研究に入つて来た方には不満に耐へず、無用の占策を弄して失敗することも少くありませんので、奥に入れば入るほど常道を念ずるぐらゐで丁度よいと思はれます。 …
行きつけの店がよく閉店される。 特に小生の好きな、喫茶店、古本屋が。 先日は国分寺の北口カフェが閉店されていて驚いた。 たまにランチしていたのに。 味わいがあって居心地がよかったのに。 古書店もそうだ。なんでも、 古書店店主の話を盗み聞きしたの…
冨山房刊 漢文大系 第十六巻 の「周易」です。小生は15年ほど前、 神保町の冨山房に直接行って、 同書を購入しました。古書店の店頭で探せば、 300円で買えたのですが(後悔)。本文中、 「王註」とあるのは王弼の注で、 「通解」は伊藤東涯『周易経翼通解』…