門人によれば、孔子は、
次のようであったといいます。
子不語怪力乱神。
子、怪力乱神を語らず。(論語)
先生は、
怪異と暴力と背徳と神秘とは、
口にされなかった。
(金谷治/訳)
孔子は、
怪・力・乱・神(しん)については、
口にすることはなかったというのです。
- 怪…世を惑わす奇怪な説。
- 力…徳に拠らず力を恃(たの)むこと。
- 乱…人倫を乱すこと。
- 神…神秘なこと。あやしげな宗教、夢や動物に託する呪(まじない)など。
・・ということであります。
孔子は、この四者を、
口にすることはなかったのです。
さらに、
諸橋本にある次の説は、
参考になります。
宋の謝良佐(しゃりょうさ)は
この章を解して、
聖人は
常を語りて怪を語らず、
徳を語りて力を語らず、
治を語りて乱を語らず、
人を語りて神を語らず
と言っている・・
「人を語りて神を語らず」
これなど、
「易占は予言ではなく、
〈人がどうする〉を占うものである」
に通じると思います。