易学大講座の占例をアレンジして、
このような占を創作してみました。
× × × ×
ある人に金を貸すに際して、
三か月ごとに十万円ずつ返してもらうと取り決め、
三十万円貸したのですが、
初回の十万円が戻って来ただけで
連絡が取れなくなってしまいました。
残りの二十万円が戻って来るかどうか、
その返済の成行きを筮して、
益之復を得ました。
益は他より益される卦ですし、
之卦は復るという卦意ですから、
問占者にとって良い判断が出来そうです。
しかし、
占者は爻の動きに着目して、
このような判断をしたのです。
というのは・・
益は否の交易生卦ですから、
益の基本卦である否と、
本卦の益、
之卦の復、
の三卦を並べて、
占事に当て嵌めたのです。
䷋ ䷩ ䷗
すると・・
- 否は外卦が乾で相手に三十万円貸した象。
- 益は外卦の一陽が内卦に下った象で、十万円が戻ってきた象。
- 復は内卦は増えずに、貸金二十万円が消えてしまった象。
・・と、
卦の来往を読むことが出来ます。
すなわち、
爻の動きは、
二十万円の戻ってこないことを、
告げているのです。
というのも、
益が変化して復となると、
外卦の二陽は消えてしまい、
それはもはや卦上には存在しませんから、
既に消費してしまったのでしょう。
さあどうする?
後は共通の知人に間に入ってもらうか、
借主の身内に訴えて返してもらうとか、
之卦の復が臨、泰と陽を内に増すように
占者が上手にアドバイスすべきなのですが、
ここでは取象のみを記すにとどめます。
この占の骨子は、
大岳氏の占をなぞったものですが、
流石の取象だと思います。