会報に載っていた占例を、
かいつまんで書きます。
六変筮法。筮前の審事。基準卦。
という論点を含んでいます。
× × × ×
友人が転んだらしく、
足を怪我して、
入院しているということです。
どんな具合かを筮して、
豊之夬を得ました。
(爻卦は上から離坤震艮坤坎)
普通の病占でしたら、
この得卦ならば、
病状はとても悪く、生命の危険に瀕している、
と云えるでしょう。
豊は「大なり」で勢いが強く、
夬は決壊するという危険な時
だからです。
しかし、
筮前の審事を踏まえれば、
膝の骨を痛めたとか、
悪くても骨折をしたのであって、
命にかかわることはないということは、
常識的に判断できると思います。
そこで、
もう少し得卦を
推究しなければなりません。
䷲ ䷶
震卦を正常な両足の象とすれば、
豊の九三は転んで打撲した部位に相当し、
豊卦は片足が動かない現状を示しています。
䷀ ䷪
乾卦を正常な骨の象とすると、
之卦の夬卦は決去しなければならない、
一陰が未だ残っています。
もし、
この一陰が二陰でしたら、
之卦は大兌の象となって、これだと
大きな欠陥が後遺症として残りますが、
夬卦ならば後遺症はずっと
軽いものと云えます。
結論としては、
完治したといっても、
多少の後遺症はあるかもしれない・・
と見なければならないでしょう。
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六変筮の
お手本のような占だと
思います。
このように、各人の占例には、
占者の実力の程が、
明瞭に表れるのです。
理論知識が立派であるとか、
話がお上手なだけでは、
本当の実力はわかりません。