易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

幸運の種

碩果不食。君子得輿。小人剝廬。 ── 剥卦、上九この辞の結婚占につき、 天の神さま(加藤)、地の神さま(柳下)は、 このように占考しています。 しかし今迄、家が貧しかつたり、母代りになつて家事に努めたりしてゐた人には、「輿ヲ得ル」 機会が近付いた…

扶陽抑陰

碩果不食。君子得輿。小人剝廬。 ── 剥卦、上九 この辞につき、易学大講座には、 面白いことが書かれてあります。 (山地剥の)各爻辞を通観してみますと、五爻などの、何かしら故事来歴を秘めてゐるやうな、捨てがたい味のある繇辞を無理に押込んだやうな、…

鍼を刺す

呑象氏の有名な占。 筮前の審事はこうです。 明治十四年春、偶然腹内に疼痛を生じ、内外の医師に診察を乞ひ、薬用すれども効験あるを覚えず、而して痛み益々甚だしく、数日食を断ち煩悶して止まず・・ (高島易断) 翁、治療手段を筮して曰く。 貫魚。以宮人…

古書に出合う

「奥秘鍵」 は易の理論がコンパクトに書いてある。 「易学院」 は修養の書としての易経という感じ。今年、出合った本です。(「赤と黒」 は関係ない)易に関しては、 古い本の方が圧倒的に深いというのが、 小生の率直な感想です。現代の易の本は、 広範な情…

易の有名な言葉

積善之家、必有餘慶。 積不善之家、必有餘殃。 ━━坤初六、文言伝××××善(陽)を積んで行く家は、 地天泰になるから必ず餘慶あり。不善(陰)を積んで行く家は、 天地否になるから必ず餘殃あり。・・と、これは意訳です。××××ところで、 「積善之家」「積不善…

不食の象

「易学病占」 を見ると、 山地剥の病気の占に、 「下顎の不随」 なんてのがあります。これは、 山雷頤の震下艮上の形を、 下アゴ☳、上アゴ☶として、 ☶ ☶ ☳ ☷ 山地剥は下アゴの欠けた象だからです。 (☳→☷で下アゴが動かなくなった)山地剥の上九の辞に、 「…

占不出其位

当ブログでは、 三変筮による可否占を推奨していて、 主に 「人がどうする」 を占うべきとしています。よりて、病気の診断などは、 シロウトが安易に行うべきではないと、 強く申し上げています。日進月歩の現代医学に対して、 易ごときが敵う道理がないから…

家出人の推理

山地剥・六四の占考に、 このようなのがあったのですが、 その根拠がよくわかりません。 家出人は自殺を計画して出たものですが、どこかで剃刀(カミソリ)自殺か鉄道自殺を遂げてゐるものと見られぬこともありませんが、・・ (易学大講座) で、 考えてみまし…

ラグビーW杯

今日から始まりますね。 開幕戦は 日本 vs ロシア です。 試合会場は東京スタジアム。 小生宅から歩いて25分くらいです。 観戦には行きませんがね。 その昔、小生はラガーマンでした。 今は易経なんか読んでますが。 若い頃は荒っぽい面がありました。 スポ…

危急存亡のとき

易占の本を見ていると、 山地剥の四爻は凶意が強いと感じます。剝牀以膚。凶。 象伝曰、剝牀以膚、切近災也。××××爻辞は、 直ちに凶と云っているし、 象伝では、 切に災いに近きなり、と云っています。程伝では、 其凶可知。 その凶たるを知るべし。古い易書…

二爻について

乾為天・九二の文言伝に、 見龍在田、時舍也。 とあります。「舍」 は、 とどまる。すつる。やどる。 ・・などと、読みます。この 「時舍也」 について、 以前から不明でしたので調べてみました。「新釈漢文大系 易経」 から引いてみます。 時に随つて止まる…

政権与党ゆえ

当事者になった方が、 批判が多いからか・・うーむ、これもし今の野党が政権握っていたらとんでもない非難を受けたろう。「やっぱり自民党がよかった」とか言われてたと思う。自民党だから大した非難がない。それほどに今経済界やマスコミが自民党を支える旨…

ふたりの易占家

柳下尚範氏も、横井伯典氏も、 易経を読まずんば易占はムリ、 ということを云います。ただ、お二人には、 このような違いがあると感じます。柳下氏は、 程伝を推奨しているように、 がちがちの合理派で、儒教の教えに従った、 厳しい易占(可否占)であると…

易経の新刊本

ジュンク堂書店に立ち寄ると、 明治書院 「新書漢文大系 易経」 が、 書棚に陳列されていた。少し読んでみて、 「『新釈漢文大系 易経』 があるから買わなくていいや」 そう思いました。今回の新刊本は、 「新釈漢文大系」をよりわかりやすく、 コンパクトな…

埼玉県の所沢市へ

9月15日(日)。 「埼玉西武 vs 千葉ロッテ」 の野球観戦。 於:メットライフドームいや、ロッテの応援も、 パワーがあって楽しいね。応援席の隣の席でしたから。

剥卦総論

山地剥の六爻は・・初 「剝牀」 二 「剝牀」 四 「剝牀」 上 「剝廬」・・と辞にあるように、 安んじている場所から、 剥がし落とされるという意があります。三と五は、 一陽に応じ、または比しているので、 剥落とは違った方面から、 辞が繋けてあります。…

まず卦爻彖象

古い易書(500円にて購入)を見ていると、 卦爻彖象の意に精通しておらないのに、 すなわち易経をまだあまり読んでおらないのに、 易を談ずる人が、明治三十七年時点において、 多かったという記述がありました。 愚謂ふ(私は云う)。易を学ぶ者多し、然る…

老衰の症

真勢中州を師としておられる、 松井羅州の占例です。 久しく患ひ伏す一老人に対し、其の治方を問はれた松井羅州が、筮して 『剥』 の 『坤』 に之く(剥の上爻変)を得、治癒せしむべき方法皆無であると断じた。 (「易学通変」 より) 剥卦は、 易学大講座…

忍び寄る陰邪

剝牀以足。蔑貞。凶。 ──剥卦、初六 剥は陰柔が陽剛を剥落すること。下よりして上り進む。 (今井易経) 剝自下起。滅正則凶。故其占如此。蔑、滅也。 (周易本義) 朱子曰く、 剥は下より起こる。 正しきを滅ぼすは則ち凶。 故にその占かくのごとし。 蔑は…

昔の占いの本

子供の頃、 近くの本屋さんで買って、*1 読んでいた占いの本。すべてカッパ・ブックス(光文社)です。どれもサブタイトルが粋ですね。××××「西洋占星術」 ―あなたを支配する宇宙の神秘 門馬寛明・著「ジプシー占い」 ―あなたの明日を、トランプが予言する …

頓珍漢な爻辞占

以下は、 「易経講話」 からの引用ですが、 爻辞占の理解にも資すると思います。 易の言葉は、いろいろな方面から見得られるのであり、わずかにその一部分が載せてあるに過ぎないのであり、他の卦を参考にして補ってみるべきである。あまりに固く文句に執着…

雲行雨施

乾為天の彖伝に、 「雲行き雨施し・・」 という辞があります。漢易の学者は、 これを象で説明していて、 この 「雲」 と 「雨」 は、 既済卦を前提にしているのであると、 云っています。 ☵ ☲ そのため、 四五上の坎を雲とし、 二三四の坎を雨としているので…

理想の易占

易を学び始めた頃、 こんな憧れをもったものです。××××ふと憂ひが生じたとする。イメージの中だけでサイコロを振る。 頭の中に算木を布く。 辞を思い浮かべ深く検討する。 占断する。××××つまりすべて、 頭の中だけで行うのです。もし他人を筮したのなら、 …

果実が欲しい

山地剥の占考につき、 易学大講座では 「望みが大きすぎる」 と、 二か所で云っています。ひとつは、願望占。 願望などは・・・徒らに望むところのみ大きかつたりして通達の見込みがありません。 ☶ ☷ 上爻の一陽は 「碩果」 です(爻辞参照)。 この卦は一陽…

占いの本

井田成明 「新訂 現代易入門」 明治書院 が、ネット上で、高値で売買されていた。うそっ・・・と、思った。小生は、 この本を二冊持っていますが、 もし身近にいる人が 「欲しい」 と云えば、 タダで差し上げるのですが。見ることはまずないですから。気学日…

読書の余白に

「ドルジェル伯の舞踏会」 を読み終え、 心理小説つながりで、 スタンダールの 「赤と黒」 を読み始めた。たいそうおもしろい。野崎歓訳。光文社古典新訳文庫。古本。ネット上は色々云われていますが、 なかなかよい訳だと思います。小生は、学者ではないか…

山地剥という卦

不利有攸往。──剝卦、彖辞 往くところあるに利しからず。進めば地に落っこちます。 卦義に順って止まり守っておれば、 時運は変化して一陽来復の復になります。 十二消息卦です。 天道のめぐりに順うこと。 彖伝曰、天行也。 「剥復の理」 というやつです。 …

厚下安宅

上以厚下安宅。──剥卦、大象 上は以て、下を厚くし、宅を安んず。 ☶ ☷ 象を見るに、 一部の上級国民が上にいて、 国民は貧しい生活に汲々としております。国内は空洞であり、 このままでは山は崩れ国家崩壊です。そこで、大象伝は、 君主にこう教えています…

剥、三変筮、など

山地剥。本田渉先生は このように述べています。 六十四卦の中でも一番悪い、剥という卦である。だれか友達に連れられて行った飲み屋の女将に、卦を立ててやったら、これが出て、「体の具合は悪くないか」 と言ったら、「実は非常に悪い」 ということだった…

理解の浅い人

ある易の先生は、 「私はわかったような顔をしていますが、 実は易のことは全然わかっていない・・」 とおっしゃっていました。小生から見れば、 十分、上級者なのですが・・不思議なことに、 理解の浅い人ほど、 自信満々で専門家を気取るようです。まだ、 …