「ドルジェル伯の舞踏会」 を読み終え、
心理小説つながりで、
スタンダールの 「赤と黒」 を読み始めた。
たいそうおもしろい。
ネット上は色々云われていますが、
なかなかよい訳だと思います。
小生は、学者ではないから、
多少の誤訳はどうでもよいからです。
ただ、
スピード感のある文章にするためなのか、
文章を簡潔にし過ぎて、
この手紙を書いたのは誰?
誰がこう思っているの?
など、主語が不明確な時があります。
(ひょっとして原文がそうなのか)
そういうことがありますので、
新潮文庫版を手元において読んでいます。
図書館で、スタンダールについて、
ちょっと立ち読みして来た。
谷崎潤一郎が、
英訳本のスタンダール全集をもっていたらしく、
作品群を堪能していたようである。
「カストロの尼」 については、
「まるで 『史記』 の文章を読んでいるよう」 と、
お気に入りだった様子。
生島遼一氏は、
スタンダールは人物の創造に力を注いだ作家。
物語を作るのはあまり得意でない。
話づくりなら、バルザックの方が数段上。
・・などと、書いていた。
小生はこんな話を聞いたことがある。
バルザックは金儲けの話を書くのはうまいが、
自分が金儲けをするのは苦手だった、と。
たしかに、バルザックは、
事業に失敗して莫大な借金を作った。
ために珈琲をがぶがぶ飲んで
恐るべきパワーで小説を書いた・・
世の中というのは、
ままならないものだ。