易経の六十四卦に「戦争」があります。
地水師という卦です。
易は戦いを肯定しているのですが、
それには条件があります。
「師は貞なり」
これです。
軍隊は貞でなければならない。
柳下先生はこう述べています。
「師は不義を征伐する
正義の軍であること」
また程伝は、軍隊は、
「反乱を禁じ、暴力を倒すため」
に起こすのであると。
すなわち「害を除くため」に
やむを得ずして兵を起こすのです。
(六五の爻辞参照)
易経は戦争を想定していますが、
傲慢な暴力主義は貞正に反するために、
認められないと思われます。
天に従い、義に従い、人に従って、
戦うことが合理的である場合に限って、
許されるのでしょう。