「君子」については、
位が高い、徳がある・・といった、
アバウトな理解だったのですが、
貝塚茂樹先生の語釈が詳しかったので、
ここに引用しておきます。
引用:
【君子】
「君」は「群」に通じ、
「子」は尊称で、
朝廷の会議に参列できる
貴族たちの総称が原義である。
周から春秋時代にかけては、
これら貴族にふさわしい教養、
品位のことをさすようになる。
これを「紳士」とか「お人柄」
「人物」と訳する。
春秋末期の下級士族出身の孔子は、
この貴族的な理想を一般化し、
貴族に代わる新興知識階級のための
新しい理想の人間像を形成した。
この意味の「君子」は、「学者」
「人格者」「求道者」などと訳する。
場合によってニュアンスがちがい、
いろいろな訳語をつかわねばならないので、
「君子」の語を訳さずに
そのままでつかうことが多い。
(中公文庫「論語」)
:引用終り
スタバに行く際、
貝塚「論語」を持参したのですが、
文学を解釈しているような読み方で、
たいそうおもしろいのです。
貝塚先生は、
中国古代史が専門の歴史学者ではありますが、
文学を読むがごとき滋味溢るる読解は、
この先生のすごさだと思われます。