岩波「易経」、本田「易」を読んでも、
なるほど、なるほど、と思えない人には、
公田連太郎「易経講話」明徳出版社
をお薦めします。
全五巻で六万六千円ほどしますから、
図書館で借りて試し読みをしてから、
購入を決めてもよいでしょう。
講義形式で、丁寧に説明してあり、
学問的なレベルもしっかりしていますから、
易について何も知らない人は、
まずこれを読むべきです。
易は入門時におかしな出遇いをすると、
一生それに祟られてもう二度と
易経を読めなくなります。
易経に「関する」本を読んでわかったような
気になるのではなく、この本を読んで実際に
卦辞、爻辞、彖伝、象伝等の文章を
熟読玩味することが大切です。
また、
代表的な易学者の註釈も文語訳で載っていますから、
こういうのをきちんと読んで慣れることです。
それと忘れがちなのは、
卦・爻という記号の存在です。
易は64卦・384爻の変化の組織体系であって、
それに対して有意的に辞が配されていますから
そうした卦・爻・辞の繋がりをとらえることです。
公田連太郎翁は、
「周易の大曼荼羅」
と云っていますが、はじめは難しいですが、
そういうことを意識して易経を読むと
よいと思います。