易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

三浦易経

ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
三浦國雄 著『易経
角川ソフィア文庫 

× × × × 

この本で易占をするのは、
入門者には難しいと思います。

たとえば、
同書によれば、
明夷の卦辞はこうなっています。

明夷。艱(なや)みの貞()いに利()あり。
明夷。艱難のことを占ってこの卦に遇えば、よいことがある。

彖伝の解説があればまだしも、
同書にはそれもないのですから、
(たとえあっても入門者には難しいでしょうが)
この解釈で占ってしまっては、
判断を誤ることになる。

晋と明夷は昼夜の交代ですから、
明夷はやがて晋になるとは、
いえるのですが。

この卦辞の「貞」を、
原義である「卜問」とはとらずに、
「明夷の艱貞」と従来通りに読んだ方が、
占としては有用であると思います。
(しかも深い)

三浦先生の本は
「繇辞*の原義に帰ろうとしている」
ものだからです。
ちゅうじ。卦画とはあまり関係のない古い占いの言葉。

しかし、
明夷の卦意・卦象を見れば、
「よいことがある」とは、
現代においては誰も占わないと、
思うんですけどね。

これは学ぶ順序の問題ですが、
岩波易経 → 三浦易経 
の順で読んでいったほうが、
過ちが少ないと思います。