地火明夷は、
国が正常ではない状態ですが、
ちょっと今の日本を思わせます。
論語では、
无道(むどう・無道)の世に処する法を
こう述べています。
× × × ×
子曰く、
邦(くに)道有れば、
言(こと)を危(ただ)しくし行(おこなひ)を危しくす。
邦道無ければ、
行を危しくし言孫(したが)ふ。
(論語、憲問)
孔子が曰ふ、
邦に道が行はれて居る時には、
言行共に正しくし、
邦に道が行はれて居ない時には、
行ひを正しくし、言葉は謙遜にして、
禍ひに遠ざかる様にする。
(服部宇之吉)
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国が真っ当でない時には・・
暗愚の上位者に逆らわず、
言葉を荒げるようなこともせず、
ただ行いを正しくし、
発言は慎重にすべきである。
・・としています。
明夷の辞で云えば、
- 艱貞に利ろし(卦辞)。
- 内文明にして外柔順(彖伝)。
- 晦きを用いて明らか (象伝)。
ということです。
无道の世は、
離下坤上の形から、
明徳が傷つけられて生ずるのですが、
无道の世に処するのにも、
離下坤上の形によって、
内に才能を隠して明徳を保ち、
外は无道の世にあって柔順ならば、
それが後の吉になるのです。
(離の太陽はまた昇る)
(太陽=正常 です)
同じ卦の形において、
艱難を読んだり、対処法を見たり、
易システムは易簡にして、
深遠なものです。