易学大講座に
心すべき文章がありますので、
引いてみます。
かうした常道的判断は、多少専門的研究に入つて来た方には不満に耐へず、無用の占策を弄して失敗することも少くありませんので、奥に入れば入るほど常道を念ずるぐらゐで丁度よいと思はれます。
「常道的判断」とは、
易経に忠実な基本的な占のことです。
「無用の占策を弄して」は、
華麗なる占法を用いることですが、
大岳氏は「無用」と云っています。
占法については、某易占家は、
「所詮、人間業(わざ)ですから」
とよく云っていました。
「奥に入れば入るほど常道を」は、
確かに上級者ほど基本に忠実で、
一見、何でもない占をしています。
特に三変筮などは可否で答えますから、
まったく凡庸にしか映らない。
しかし上級者の可否の判断は、
そのベースに程朱の説があったり、
本義通釈があったりするのですから、
しっかりとした裏付けがあるのです。
わかる人にはわかる、
不勉強な人にはわからない。
易の世界とはそういうものです。
