先月、母が亡くなった。
それは奇妙な病で発症から二週間の出来事だった。
もともと手術の予定だったのだが、
入院ための コロナ 検査で異常が判明した。
(PCR検査は陰性だった)
簡単な手術のはずだったのに、
突如、新たな病に襲われたのだった。
術前の レントゲン、CT は正常だった。それが
入院二日前になって心嚢に水が溜まり
心臓が肥大したのだった。
水は肺にも溜まるようになった。
水を抜くなど処置を施したが、最後まで
原因がわからずついに絶命したのだった。
心嚢に針を刺す施術の際、
「母の命は助かるか」で骰子を振ると、
風沢中孚の上爻が得られた。
䷼
心臓が大きくて、大離の象が得られたのだ。
これはよく出ている・・と思った。
上爻は実が虚にかわるところだから、
しかし、こりゃあ、アカン かなぁ・・。
実際、そんなふうになってしまった。
月筮は風火家人の第四爻。
六四。家を富ます。大吉。
主婦としての成功の爻である。
母の結婚生活は借金から始まり、
子供を二人育て、東京に一軒家を持った。
「この爻は母の人生を象徴している」
愚かな息子はそう思って易経を閉じた。