易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

易コラム

野球と易占

2022年のプロ野球日本シリーズは、 オリックス・バファローズが日本一に。 オリックス贔屓で第7戦まですべて見ました。 どの試合も易卦を出しておいて、 それを頭に浮かべながら 「オリが先制したら逃げ切れるけど、 ヤクルトが先に点を取ったらオリの負け」 の…

坎は頭がいい?

武隈天命氏は、ご自身の 著書でこう書いています。 ところで、坎為水や水山蹇 (などの坎☵のある卦) を得た時には『このお客様は頭がよい』 場合が多いですので、その点を 褒めてあげるとよいでしょう。 (「易占の要諦」) 真偽のほどは、 ブログ主にはわ…

卦ではない、人を見よ

「病気を診ずして 病人を診よ」 慈恵医大病院にこんな貼り紙があった。たしかに、 患者を診ずにパソコンばかり・・ という医師は印象がわるい。易占もそうだ。易卦ばかり見ないで、 もっと問占者を見るべきである。問占者を見るだけで、 結論が出てしまうこ…

六十四卦を覚える

自分を振り返りますと、 正式に易占を学ぶ前から、 六十四卦くらいは知っていました。先代・銭天牛氏の 「現代易占術」鶴書房 を読んでコインを振っていましたから。本の小口が手垢で汚れるくらい、 何度も占いましたから、 自然と易卦の名と形を 覚えてしま…

易の雑談

当ブログでは、 「易経を読みましょう」 と再三再四云っていますが、 かく云う愚生も、 初めのウチはなかなか易経を読みませんでした。 読めなかったから読まなかったのです。 岩波と朝日の文庫版易経なんてかなり前から、 持っていることは持っていたのですが…

潜龍かぁ・・

七月の月筮をとると、 乾為天の初爻を得た。 はじめてだなぁ、この辞。 潜龍。勿用。 「潜龍」が象。「勿用」が占。 「龍」は架空の生き物。 「潜」は隠れて現れず、行なって成らない意。 うわべは陽剛であっても、 最下の位地にいるからね。 位が低い。力が…

易書とミス

易書を読むにあたっては、 誤植はつきものです。 易学大講座 ↑ 新釈漢文大系 易経 ↑ こういうの、本当は、 出版社の恥なんですけどね。最近は、 薄利多売のゆえなのか、 開き直っている社もあるようです。けれど、 一言、一言、丁寧に読んでいけば、 読者が…

上下を考える

*思いつきで書きますので 文章はまとまっていませんが。易は「上下」ということを重んじます。 そもそも易は乾坤天地が母体ですからね。 乾天は上で、坤地は下です。 ですから易卦においてもこのような見方をします。 上卦であるか。下卦であるか。 下は身…

女と男と礼

易では、 女が正しく嫁いで、 主として女が正しく家を保つことを とても重んじています。女が嫁ぐ卦である帰妹には、 帰妹は天地の大儀なり(彖伝)。 とあります。家庭の卦である家人には、 男女正しきは、天地の大儀なり(彖伝)。 とあります。女が嫁いで、 …

素読

愚生が属している易研究会では、 かつて六十四卦を勉強する際には、 キャリアの浅い人から順に指名されて、 岩波易経を声に出して読んでいました。 愚生は一番の新人でしたから、毎度毎度、 初爻の爻辞・小象とその註釈を 読み上げたのでした。これはまるで…

一人の夫に仕えて

雷風恒 五爻の象伝に、 こんな文言があります。婦人貞吉、従一而終也。 婦人貞吉とは、一に従いて終るなり。岩波「易経」はこう訳しています。 婦人ならば貞正にすれば吉だというのは、 一人の夫に仕えて身を終ることが その正道だからである。 婦人は、 一…

易の概説

行きつけの喫茶店で、 本田済『易学』を拾い読みしました。 同書の はしがき 冒頭に、 「これは易の概説である」 と一行取りで書いてあります。 この本は文学にたとえるなら、 「文学概論」「文学史」に該当するか。 愚生は文学作品そのものを 読むことに興…

矛盾から永遠へ

坎為水の二~五には離の似象があり、 離為火の二~五には坎の似象があります。 ䷜ ䷝ すなわち、 水の卦は火の象を含んでいて、 火の卦は水の象を含んでいる。また、 水火既済は互卦に未済があり、 火水未済は互卦に既済があります。 ䷾ ䷿ すなわち、 既済は内…

巽順の徳

「ニンゲン、最後は性格ですよ」 という人があります。おそらく、 こういうことなのでしょう。 安きを求むるの道は、 ただ順と巽とのみ。 若しその義順正にして、 そのをること卑巽なれば、 いづくの処にして安からざらん。 (程伝。新釈漢文大系 易経より)…

偽陽と化す

乾為天の上爻は 「悔いあり」なのに、 坤為地の上爻は 「戦う」である。陽が極まっても 悔いるだけなのに、 陰が極まれば それは戦いである。これはどういうことか。愚生未だ結論をもたないのですが、 これもやはり易は陽を主として 考えるからか。陽が極ま…

易は老婆心

パラパラ、易経を眺めていると、 これがナカナカ、面白い。地天泰の三爻に、 平陂(へいは)とあった。 平らな土地が陂(かたむ)くのである。対して、 天地否の上爻には、 傾否(けいひ)とある。 否の状態が傾くのである。泰も、否も、 いずれ極まって傾くのであ…

真の易書は稀

昭和初期発行の書籍の巻末に、 易経の広告ページがあって、 このようなことが書かれてある。 易に関する著書は古来 汗牛充棟も啻ならぬ有様であるが、 多く考証訓詁に終るか、 単なる入門書案内書に過ぎぬ程度で、 真に易に依つて生き、 易を楽しんで玩び、 …

柳下易の要

柳下先生の「易 占法の秘伝」について、 変な書名だなぁと思っていました。「易占法の秘伝」でなくして、 「易、占法の秘伝」なのですから。愚思うに、 易の「占法」の秘伝である、 ということを強調したかったのであろうと。実に「占法」の本なのです。とい…

過剰と不足

某tweetに 「過ぎたるは猶及ばざるが如し(論語)」 を題材にして、 では過剰と不足とではどちらが悪いと思うか、 という問いがあった。・過剰の方が悪い ・不足の方が悪い ・両者は同程度に悪いの三択である。愚生思うに、 過剰の方が悪いと。易ふうに云いま…

晦・冥

プーチン大統領を 易辞に当て嵌めれば、 こんな感じでしょうか。× × × × 不明晦。── 明夷、上六 明ならずして晦(くら)し。冥升。 ── 升、上六 冥(くら)くして升(のぼ)る。× × × × 岩波易経には、 前者は闇晦の君主であり、 後者は昏冥無智である、 と解説し…

プチ 雑占

先週の水曜日、 三鷹の古書店で或る著作集を見た。 全二巻で13,200円だった。 この時は買わずに終ったが、 数日経つうち欲しくなってきた。 ネット上の同書より廉価である。 扨て買えるだろうか。 (誰かに買われてないだろうか) 筮して火風鼎の二爻。 鼎・…

言葉を飾る

[国民座右銘]1943.10.10「文学報国」より1月13日言葉花さくものは必ず実なし 新井白蛾「白蛾冠言」意味:「巧言」と同じ。言葉を飾り立てる者には、真の心はないものである。調子のいいこと、大げさなこと、空疎なことを言う者は信じるに値しない。→— 大森…

湯たんぽ

室温10度の場所で仕事をしている。(貧弱なる暖房器具!)一時期、頻尿が甚だしかったが、 体の冷えが原因とわかった。湯たんぽを股間に置いて、 椅子に座ることにした。あたたかい。どうやら、切実なる 頻尿はおさまったようだ。これを取象すれば、 ䷧ ䷟ あ…

頌春、そして易占検定

本年もよろしくお願いします。 × × × × さて、新年から火風鼎を読むのですが、 こんな問題を思いつきました。もし易占が資格制度になるとすれば、 易経からの出題は、合否を決する 重要科目になるに違いありません。 そこで問題。 「鼎は物を煮炊きする器で…

水と火の関係

沢火革と水火既済は、 どちらも下卦が火で、上卦が水です。 ䷰ ䷾ なのに、 革は水と火が滅ぼし合うのに、 (水火相息と彖伝にある) 既済では両者が争うことはありません。 これはなぜか? 革は兌の止水なので火によって沸騰し蒸発しますし、 水がこぼれて火…

2022年・年筮

冬至ですので年筮を取りました。机上に賽子を置いて、 「来年の指針となるべき 易辞をお示しください」 と心に呟き、骰子一擲、 無我の境地で掌から転がすと、 下を震にし、上を巽とし、 その第四爻を得ました。すなわち得卦は、 風雷益の六四です。爻辞曰。…

盈と謙

鬼神は盈(み)ち栄えるを害して謙(つつま)しきに福(さいわい)する。 人道はおごり盈(たか)ぶるを悪(にく)んで謙(へりくだ)るを好む。 ── 謙卦、彖伝 × × × × 鬼神は禍福を説き、人道は道徳を説いています。易は満ちれば欠けると考えますから、 飽…

辞・変・象・占

当ブログのブログ名の下文には、 「辞・変・象・占」と記してありますが、 これは繋辞伝に云うところの、 易の四つの道です。そして、それは、 平成時代(笑)に実施された 易の研修会において、ある先生が 行った講話のタイトル名なのです。先生はこのタイ…

辞占のすすめ

易経から易占に入った人と、 占いから易占に入った人とでは、 象の取り方、占考が異なるように思う。 小生は、初めは易経だけを読み、 岩波易経程度が読めるようになってから、 易占をすべきだと考える者です。 でないと気学の見方の延長なんだよね。 たとえ…

心酔せよ

倦むことなくして易経を読むことは、 なかなかむずかしいのかもしれない。 易経を詳しく解している誰か、 儒者でも易者でも学者でも、 そうした誰かに深く「心酔」できれば、 飽くことなくして易経を読み続けられる のではないかと思う。 たとえば、初代・銭…