柳下尚範先生は、
幸福についてこう述べています。
また、易の宇宙観とか道徳論に馴染んでくると、自然に精神生活がうるおい、豊かになるということです。
現代の人は、いつの間にかすっかり忘れてしまっているのでしょうが、財を蓄えることもよいでしょうが、究極するところ、精神のうるおい、豊かさをえられることができて、本当に幸福なのであると。
それは、いままでにも多くの人によって語られてきたことなのです。
(易入門)
幸福は、
外的な財産や名声にあるのではなく、
内面のうるおい、豊かさにあると、
いうのですね。
ここで ブログ 主は、
この爻辞のことを思います。
東鄰殺牛、不如西鄰之禴祭、実受其福。
(既済、九五)
この辞は既済卦を得た際の、
心得でもあるのですが、思想としての
幸福論としても読めるのです。
物や外面ではなく、質素ではあっても
“まごころ” が大事なのであると。