易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

周易

ある六変筮

たとえば、来年の年筮が 「升の蹇に之く」 だったとしましょう。すると、 何か世に出るための努力をするが、 なかなか成果が表れないで中途挫折すると、 本之卦を読むことができます。 ䷭ ䷦ 之卦の蹇は、 険が前にあって止まる象だし、 もし、升の努力が実る…

咎なし

匪其彭。无咎。 ── 火天大有 九四 こういう爻辞の場合は、まず、 「咎あり」 と辞を読み替えることだ。「匪其彭」であるならば、 「咎なし」だからだ。この爻は盛んに過ぎるから、 初九に云う「害に交わる」危険が濃厚なのだ。そこで、 戒めの辞がかけてある…

易の「吉」は条件付き

雷火豊 第五爻の辞に、 章(しょう)を来(きた)せば、慶誉(けいよ)あり。吉なり。 (岩波易経) とあります。「慶誉あり。吉」とあって、 慶福と名誉が得られるのですから、 何やら大吉のように思われるのですが。しかし、 この爻自体は柔弱ですし、 す…

兌と利貞

兌為沢の卦辞に 「利貞」とあります。これを 「占ったことには利がある」 と解するより、 「貞を保ったほうがよろしい」 と理解した方がよいと思う。兌はよろこびの卦だけど、 よろこびを求める心は、結局、 私欲に走ることになり、 運勢を壊してしまうから…

六変筮の変化

ネット で興味深い二つの得卦を見た。 (得卦の無断・流用・御免) 夬の大壮に之く。 益の家人に之く。 筮前の審事がわかりませんので、 正式にはどう解釈していいのか、 まるでわからないのですが。しかし、 こんなことが面白く思われたのです。まず、前者。 ䷪…

算木占法

雷地豫の初爻は、 楽しみの主体である四に応じたいんだけど、 結果はよろしくないんだ。陰陽が応じているから、 最初はよいようにも思えるんだけど。六爻を見てください。 ䷏ 四は震の主爻なので、外へ進んで行ってしまい、 初なんて眼中にないからね。☳は外…

艮為山という卦

艮為山は 止まることを教えた卦です。すなわち・・動く時ではない。 求めてはだめ。 心を他に移すな。・・というのです。動きたいのは 心に欲望があるからです。 (柳下易入門 p.238 参照)岩波易経 (下) p.137 には、 心をおちつけ、 自分の地位をこえた欲…

艮と薬

艮を薬と見ることがある。 薬石(やくせき)なんて言葉があるからね。 艮は石の象。

爻辞占の誤占

日本 シリーズ 第六戦の勝敗を占いました。占的は「オリックス は勝つか」です。 (俺は オリックス 贔屓でした)ここまで阪神3勝、オリックス 2勝で、 阪神が優勝に大手をかけていました。予告先発は・・ オリ は大 エース の山本由伸。 阪神は今年飛躍した村上頌樹。これまで、 山…

再・死と吉凶

過去記事を再掲します。3年9か月前は こんなことを思っていたんだなぁ。× × × × 高島呑象翁は、 易という書物においては、 死をもって必ずしも凶とは見ていない、 と云っています。 聖人死を以て凶とせず、死、其所を得るを以て、吉と為す、当(まさ)に死すべ…

経文と占筮

爻辞には教えを述べたものがあって、 その場合、辞に「元吉」とあっても、 その爻の運勢が「大吉」というわけではない・・ ということを真勢中州は云っています。これは、 経文の意味と占筮における占断とは 異なることがあって、占筮家はそこのところを 明…

再び「衆允」

先程、誰かが、 当 ブログ の記事を読んでいました。愚性もこれを読んで、 いいこと書いてんじゃん、と思ったので、 (自画自賛。笑) (埋もれていては モッタイナイ) ここに再掲しておきます。× × × × 火地晋三爻の、 結婚占を考えてみました。爻辞は、 衆允。悔…

中孚・大離・火

以前、亡母の生死を筮して、 風沢中孚の上爻を得たという ブログ 記事を書きました。その別解を思いついたので、 ここに記しておきます。 ䷼ 中孚は大離の象で火を表しています。 その上爻なので火が燃え尽きてしまう、 すなわち命が尽きてしまう。また、 卦に…

困の彼我占法

沢水困にはこんな見方もあります。 我は坎の険に困しむも、彼は兌の悦楽して ䷮ 敢えて我をかえりみて助けることをせず、 反つて侮(あなど)り嘲(あざわら)う象。 (真勢易秘訣) 相手は兌口を背いちゃってるし、 この卦には潤いがないんだよね。彼我の占で使…

帯を解く

雷水解は 女子不貞の卦でもあります。 ䷧ 震の春情が動いて、 坎の帯を解くからです。「帯を解く」は慣用句で、 帯をほどく 貞操を許す 心配がなくなる という意味があります。 (新潮国語辞典)「貞操を許す」のですよ。え? なぜ坎が「帯」かですって? ☵ …

相手のある占

水雷屯を得た場合の占考例にこうあります。 愛情 ─ 自分は積極的でも相手は素直に受け入れてくれない。もし受け入れてくれても、相手には悪意がある。 (武隈天命「易占の要諦」) これは、 自分を内卦の震☳とし、 相手を外卦の坎☵として、 自分と相手との関…

他に随う

寝転びながら本田「易」を読む。 なかなかおもしろい。× × × × 沢雷随 初爻の辞には、 官がかわる。 門を出て交わる。 とある。随卦のはじめに、 官(役人の職掌)と交際が、 なぜ出てくるのか。役人は上、雇い主に随うものだからね。門を出て交わるとは、すな…

師比謙豫の病象

柳下・易入門によれば、 師。比。謙。豫。 ䷆ ䷇ ䷎ ䷏ の各卦における病象に、 血行障害。血行不順。 とあります。これは、恐らく、 卦の形を見ているのだと思います。正常な血管の象が、 ䷁ だとすると、各卦は 一陽の障害によって 血管が詰まっていますからね…

二者択一の占

武隈天命先生の二者択一の占。 (易占の要諦より)× × × × 「東京にいた方がよい」か。 「田舎に戻った方がよい」か。これを筮して、 東京→水雷屯の九五。 田舎→地雷復の六五。 を得たとのこと。 ䷂ ䷗ 先生は、 東京に得た水雷屯を、 「地雷復の中に坎☵のある…

屯と家出

水雷屯の家出人の占に、 家出したものの、 困まっていますがすぐには戻りません。 (柳下・易入門) とあります。これは地沢臨を想定して、 ䷒ ䷂ 臨の九二が家出して屯の九五になったと 見ているのです。臨は大震の象なので、 軽率に飛び出してしまうのでしょ…

艮と死

艮の象意に、 宗廟。墓。仏壇。 とあります(柳下・易入門)。重症者に得たら、 “死” という判断も、 当然ありうるだろう。説卦伝には、 艮止也(ごんは シ なり)。 とあるから、 艮は “死” なり。 と通用もできそうだ。「艮は止まる」なにより、 呼吸・心…

循環する運勢

易卦は セット で理解しておくと、 よい場合があります。たとえば・・ 乾と坤 泰と否 晋と明夷 損と益 既済と未済 ・・etc.その他、 夬と姤なども迷ったのですが、 とりあえずは、 これくらいでいいでしょう。明夷は苦しみつつ辛抱する卦ですが、 「明夷を得た…

月幾望

今日は中秋の名月で、 ちょうど満月に当たるそうです。月幾望。 月・望に幾し(月は満月に近い)。易は望(満月)を嫌いますが、 月幾望という辞が、 小畜上九。帰妹六五。中孚六四。 の三ヶ所に出て来ます。月は「陰」の象徴です。月幾望という辞をかけた 聖…

失せ物占の基本形

失せ物占(三変筮)は、 まず「見つかるか」を占って、 見つかると判断できたら、 「ではどこに在るのか」 を占うとよいです。その方が判断しやすいからです。しかし多くは、 「〇〇を失くした。 そこで筮に問うたところ、 ××××という卦を得た」 と占が乱暴…

看板を下ろす

「ジャニーズ事務所が社名変更へ」・・と、こんな ニュース を見た。これを易卦で云えば地山謙かな? ䷖ ䷎ 卦形を見れば一目瞭然、 看板(艮)を下ろしていますから。山地剝の独陽を 、 ジャニー 喜多川氏に見立ててもいいね。 一陽上に在り、衆陰の順承を得る。 (俞琰)…

乾坤は天地であり父母卦である

どの卦にあっても、 初九、九二、九三、九四、九五、上九は、 乾為天の、 初九、九二、九三、九四、九五、上九の 気分をもっている。坤為地の、 初六、六二、六三、六四、六五、上六も またしかり。公田連太郎翁は、 「気分」という言葉をよく使いますが、 …

上級者の易占

三変筮と六変筮と、どちらが優れているか、という議論は不毛である。両者は優劣の違いではなく、単に占的の違いだからである。可否占ならば三変筮を用い、推移・成行き占なら六変筮を用いる。それだけの話だ。 しかし優劣とは別に、上級者になればなるほど、…

応爻比爻について

応爻は陰陽が応じていれば それは良い関係である(卦にもよるが)。 それに対して、 比爻の陰陽関係は あまり良くは見ないのだ。なぜかといえば、 応爻は天・人・地の関係であり、 社会的であり公けな関係なのに対して、 比爻は膚の触れ合う隣同士であり、 …

比と師

水地比と地水師は綜卦(反卦)で、 ともに一陽五陰卦ですが、 一陽の位地が異なっただけで、 親しむ、戦うと、まるで 違う運勢が生じています。 ䷇ ䷆ 水地比は、五の天子に向かって 群陰の民衆が親しんでいます。 古人は北極星に集まる星々 とこの卦の象を見て…

星は天の穴

兌には星という象意があります。 ☱ 乾天の上に、一陰の穴が 開いているからでしょう。星は天の穴です。吉行淳之介に 「星と月は天の穴」 という小説があります。