易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「応」について

少し前に 「易経十翼に応比はない」 というtweetがありました。 「応」は柳下『易・占法の秘伝』の p.111~ にあるように、 易緯乾鑿度に出て来る術語です。 また艮為山の彖伝には、 「敵応」という語がありまして、 応爻と解することも出来そうです。 とす…

謎の爻辞

この爻辞(小過六二)を、 声に出して読んでみると・・♪その祖(そ)を過ぎ、その妣(ひ)に遇う。 ♪その君に及ばず、その臣に遇う。 ♪咎なし。波のような、リズムのある句ですが、 意味としては、何のことやら? と思ってしまいますね。朱子も本田済先生も、 …

小説の味わい

スタンダール「赤と黒」 岩波文庫「第1部 第18章 ヴェリエール における国王」より この章だけでも、 立派な文学なので、 固唾を呑みます。新潮文庫版、 光文社古典新訳文庫版も 参照して見ています。

鳥の ワザワイ

雷山小過の初六は、 飛鳥以凶。飛び上がって 九四に応じようとします。しかし卦辞の 上(のぼ)るに宜(よろ)しからず。 に反しますから 凶判断になるのです。それはいいのですが、 朱子の周易本義は、この爻に こんな註をつけています。郭璞(かくはく)《…

六爻皆陽

乾為天は六爻すべてが陽なので、 絶好調な運気に思えるのですが、 実占家はあまりよい判断をしていません。 表面よく見えて 内実の之に伴はぬ憾みがある。 また進み過ぎて難儀を生じ易い。 (加藤大岳)期待できても、 実際は順調に進まない時・・ (柳下尚…

蹇蹇匪躬

とあるtweetに 水山蹇の爻辞がありました。王臣蹇蹇。匪躬之故。さて、この句は 蹇の第何爻でしょう? 王臣。 蹇蹇。 躬のことに匪ず。こういうポジションって「二爻」なんだよね、 易ではね。易経を見てみました。やはり二爻でした。おしまい。笑 × × × × (お…

占者の実力が問われる

結婚や離婚の可否を占って、 雷山小過が得られたら・・柳下「易入門」には、 和合をえられないし、良縁ではありません。 と書いてあります。 ䷽ 正艮倒艮で彼我が背を向け合っている。 飛鳥の象で別れの暗示がある。 ということなのでしょう。確かに良い縁で…

貞の三義

貞字を古い意味の「卜問」とする人がいますが、 当ブログでは、真勢中州の云うように、 「貞とは、正常固の三義を具せり」 として読んでいます。貞正・貞常・貞固として。詳しくは、 柳下「易入門」p.116 岩波「易経 上」p.71 をお読みください。そして当ブ…

岩波の誤植

岩波「易経 下」p.78 10行目 に誤植があります。【誤】損下益上 【正】損上益下 風雷益の彖伝を参照のこと。旧版では「損上益下」となっていますから、*1 新版に組み替えた際の見落としでしょう。「損下益上」は山沢損ですからね。この誤植は、 易の研究会で…

飛鳥之象

たしかに、雷山小過は 鳥が飛んでいる形ですね。 ䷽ 見えるのは三・四の胴体だけで、 初・二、五・上の両翼は 羽ばたきしていて半透明。易研究会では、 「占においては、初爻と上爻に注目せよ」 と教わりました。初と上は、 飛び上がってはいけないのに、 飛…

反対の意味をみる

易には反対の意をみるという ムツカシサ があります。たとえば・・ 咸の五爻は感じない。 大壮の五爻は壮を用いない。 泰・既済の上卦は乱れる。 否・未済の上卦はととのう。 損の上卦は他からの益あり。 益の上爻は損に転じる。 不摂生だから節が出た。 傲慢不遜…

同卦異占

真勢中州は二つの病占において、 同じ 明夷の泰に之く を得て、 一方を平癒の占とし、 一方を必死の占としています。 ䷣ ䷊ 参考になると思いますので、 写真を読んでみてください。↓ 加藤大岳「易学病占」 これは、 筮前の審事の違いによって、 生死の別が生…

卵が孵って鳥が飛び去る

雷山小過を読み始めましたが、 柳下「易入門」によれば、 この卦を得たときの運勢はこうです。 永年、目をかけてやった者が、 足元から離れていくことがあります。 これ、 序卦断法を使って、 「中孚が小過となって飛び去る」 が根拠なのではないか。 (錯卦…

「赤と黒」

新潮文庫で買いました。 各々二冊目です。小林 正/訳 訳注、解説がよいです。 訳文も意味がつかみやすい。

何て読むの?

下の赤線の漢字は何て読むのか、 Twitterで質問している人がありました。写真は「易学大講座」より。 同書において頻出する漢字です。 もし読めなければ調べておきましょう。 古い易書ではよく見かけるものです。 火地晋の二爻にも出て来ます。 オレ は昔、辞…

再掲・素読

過去の記事を再度掲載します。× × × × ●── 素読 愚生が属している易研究会では、 かつて六十四卦を勉強する際には、 キャリアの浅い人から順に指名されて、 岩波易経を声に出して読んでいました。 愚生は一番の新人でしたから、毎度毎度、 初爻の爻辞・小象…

まさに錯綜

『易学大講座』 第八巻 p.228 に誤植があります。×綜卦 ○錯卦 「綜」ではなくて「錯」です。

易の帝王学

今朝の毎日新聞のコラムは、 「帝王学の書」から始まっていた。 帝王学の書「貞観政要(じょうがんせいよう)」で知られる 唐の第2代皇帝、太宗(たいそう)は側近の人選を重視した。 「政(まつりごと)をなすの要は人を得るにあり」と、 かつて敵対陣営に…

学のない信

信を好みて学を好まざれば、 其の蔽(へい)や賊(ぞく)。── 論語学のない信は、 信ずべきでないものを固く信じて、 物事を害するようになる、 というのでしょう。程伝は、 中孚上九の註釈において、 この論語文を引いています。中孚の上爻は、 ・信が極ま…

書き下し文

今井宇三郎「新釈漢文大系 易経」 本田済「易経講座(程伝)」この二冊は、 そんなに漢文法を知らなくても、 読めるテキストです。↓ 本田済「易経講座」 文語訳を読めばいいからです。 (「易経講座」には口語訳もある)ナニ? 文語訳に抵抗がある? そんなの…

六爻を俯瞰する

たとえば、 風沢中孚の 六爻の辞はこうです。× × × × 初九、虞吉。有它不燕。 九二、鳴鶴在陰、其子和之。我有好爵。吾與爾靡之。 六三、得敵。或鼓或罷、或泣或歌。 六四、月幾望。馬匹亡。无咎。 九五、有孚攣如。无咎。 上九、翰音登于天。貞凶。余談です…

手作業で読む易書

易書を読む時には、 写真の ダーマトグラフ で、 文言・術語を塗りつぶしながら、 読んでいます。昔、 仕事で活字チェックをした際の 手法の なごり です。他に、 六色分の マーカー も使っています。手作業にした方が頭に入りやすいし、 後で読み返さなくても 視覚的にパ…