易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

壮麗な文語譯

愚生にとって、 齋藤磯雄 譯「惡の華」は、 どうも敷居が高い。しかし、 「巴里の憂鬱」については、 齋藤磯雄 譯 が最もよいと思う。とらえ難い夢幻界の表現を、 雅な日本語に置き換えている。これは大変な名譯であろう。「惡の華」が読み難いのは、 こちら…

爻辞占のツボ

風山漸の三爻を得たら、 岩波「易経」に過剛不中とありますから、 よい判断はできないでしょう。漸は、 順序を以て徐々に進む卦ですし、 卦辞に「貞シキニ利シ」とあります。過剛不中では、 剛に過ぎ、行き過ぎるわけですから、 卦義に反することになる。 (…

偽陽と化す

乾為天の上爻は 「悔いあり」なのに、 坤為地の上爻は 「戦う」である。陽が極まっても 悔いるだけなのに、 陰が極まれば それは戦いである。これはどういうことか。愚生未だ結論をもたないのですが、 これもやはり易は陽を主として 考えるからか。陽が極ま…

国分寺街道

つつじが咲いていました。 華やかでございます。 花、片隅に、うつつともなし。 齋藤磯雄 譯

易は老婆心

パラパラ、易経を眺めていると、 これがナカナカ、面白い。地天泰の三爻に、 平陂(へいは)とあった。 平らな土地が陂(かたむ)くのである。対して、 天地否の上爻には、 傾否(けいひ)とある。 否の状態が傾くのである。泰も、否も、 いずれ極まって傾くのであ…

真の易書は稀

昭和初期発行の書籍の巻末に、 易経の広告ページがあって、 このようなことが書かれてある。 易に関する著書は古来 汗牛充棟も啻ならぬ有様であるが、 多く考証訓詁に終るか、 単なる入門書案内書に過ぎぬ程度で、 真に易に依つて生き、 易を楽しんで玩び、 …

鴻の象

風山漸の六つの爻は、 みな鴻(こう)を象にとっています。来知徳によれば、 この卦には鴻の象が、 あるようです。× × × × 鴻は雁(かり)の大きいもの。 鴻はもと水鳥である。 漸卦の中爻には離と坎がある。 三四五の離。二三四の坎。 ䷴ 離を飛鳥となし、 離の…

大講座の生卦法

加藤大岳氏による風山漸の占考に、 このようなものがあります。 談判・交渉・取引なども、 消極策から積極策に転じて有利となり、 彼我ともに相益する結果を 齎(もたら)すことが多いと判じます。 (易学大講座) この文章は生卦法を使って 書かれています。…

改憲の国民投票

なんとなく「国民の半数」で決まると思ってる人も多いかもしれませんが現実は違います。「投票総数の2分の1」なのです。で、改憲したい派は絶対に投票に行くことになります。残りがいつもの選挙投票率では自動的に改憲になってしまうのです。どうぞ廻りの…

易は創造

最近よく読まれている、 当ブログの記事を再掲します。重要なことなので。× × × × 「易─占法の秘伝」に記されている、 真勢派・谷川龍山の占例で、 風沢中孚を得たにもかかわらず、 「互いに口舌あって争う」意を 見ているものがあります。これにつき、著者…

本がない

河出文庫 ダンテ『神曲』平川祐弘 訳 全三冊(地獄篇・煉獄篇・天国篇)× × × × 地獄篇を時々見ていますが、 煉獄篇・天国篇はどこへいったやら。三冊買ってあるはずなのに、 まるで見当たらないのです。何処に埋もれているのやら。そういうことって、あるよ…

重艮の変化

加藤大岳氏の占に、 重艮の象を扱ったものがあります。細部は省いて、 大胆に書き換えますと・・要するに、 経営している店を売ることの可否 を占っています。売って人に渡した方がいいか、 今まで通り店をやった方がいいか。氏は筮して艮之晋を得ました。 ䷳…

柳下易の要

柳下先生の「易 占法の秘伝」について、 変な書名だなぁと思っていました。「易占法の秘伝」でなくして、 「易、占法の秘伝」なのですから。愚思うに、 易の「占法」の秘伝である、 ということを強調したかったのであろうと。実に「占法」の本なのです。とい…

なぜ女が帰ぐ?

風山漸の彖辞には、 「漸女帰吉」とあって、 女の帰(とつ)ぐ話が出て来ます。それはなぜか?婦人謂嫁曰帰。 天下之事、惟女帰為有漸。 納采、問名、納吉、納徵、請期、親迎、 六礼備而後成婚。 是以漸者莫如女帰也。 (来知徳)婦人の嫁するを謂い帰ぐを曰う…

易経の卦変説

柳下「易入門」によれば、 風山漸の時運はこう見ます。 運勢 ━ 塞がって通じない状態から、 次第に順調になるとします。 このように占考してあるのは、 「易入門」の説明にある通り、 漸は天地否の交易生卦だからです。 (否の三爻四爻が交わって漸となった…

珈琲と読書

金曜日はスタバの日。 (個人的な習慣です)「ドリップコーヒー」と、珍しく、 「あんバターサンド」も注文しました。こんなカードを頂きました。 本日飲んだ 「パプアニューギニア」 のカードです。× × × × 珈琲を飲みながら、 こんなのを読みました。 ラン…

色情の間違い

風山漸の卦辞。 女帰吉。利貞。 女の帰(とつ)ぐに吉。貞に利し。卦の占意とすれば、 結婚は吉といえましょう。ただ「利貞」の二文字が 気になります。何か「貞」でないことがある・・調べてみると、 「真勢易秘訣」にこうありました。 夫婦の仲が不和なる象…

艮上九の論点

艮為山、上九の結婚占は、 チト厄介です。愚生も、未だ、 クリアにはわかっていませんが、 これは三変筮における重要論点です。問占者をよく見、 正しく断じられるようになるまで、 10年、20年とかかるかもしれません。× × × × ヒントを掲げておきます。爻辞…

軍備

民主主義の確立していない国が軍隊を持つことは国民にとっては自殺行為のようなものだ。そういう国の軍隊は国民のための軍隊ではなく、権力者のための軍隊であって、命令されれば国民にも銃口を向けてくる。— 中嶋 哲史 (@J_J_Kant) 2022年3月31日 ぼくは今…

「たましひ」で読む

小学生の頃、 この世で一番偉いのは詩人だと思っていた。 学者、小説家、政治家などは、 コケの一念で努力すればなれる。 でも、詩人だけは、 詩人の魂をもっていなければなれない。 (工藤美代子)出典:毎日新聞 2022/4/2 朝刊× × × × 易経などの中国古典…

言語を慎め

艮為山、第五爻では、 「その輔に艮まる」と云って、 言語を慎むべきことを教えています。 (五爻ですから、特に君主は)易経には、 言語に対する注意事項が多く、 それだけ言語はトラブルの要因に なるというのでしょう。× × × × 君子、 その室(しつ)(自…

機運をつかむ

艮為山、六五の爻辞はこう。 艮其輔。言有序。悔亡。おおかたこのような意味です。 「輔に艮る」輔は頬骨で、 「言・序あり」。 つまり言を正しうするのである。 言を正しうすることは信を立てるのである。 悔ゆるところはない。 (安岡正篤「易学入門」) …

若い娘

スタバのドリップコーヒーは日替わりなので、 商品受け渡し時にその日のコーヒーの 説明をしてくれることがある。 本日、そのドリップコーヒーを注文した。 女店員さんがカワイイ声でさらさら話し出したので 聞かなくちゃ失礼かなと思い目を見ると・・ 彼女…

値上げ

毎朝食べる食パン。 今迄170円で買っていたと思うが、 今回200円に値上がりしておった。 ああ!昼食のバタートーストと珈琲のセット。 ずうっと3切れだったパンが前回来た時は 2切れになっておった。 今回3切れに戻ったと思ったら、 値段が890円から950円に…

艮六四の結婚

結婚の可否占をして、 艮為山の第四爻を得たとしたら・・爻辞曰、艮其身。无咎。その身に艮(とど)まる・・ って云ってんだから、 結婚してはだめと判断します。加藤大岳氏は、 こんな占考をしています。 縁談は見合せて無事の占です。 (易学大講座) 見合わ…

過剰と不足

某tweetに 「過ぎたるは猶及ばざるが如し(論語)」 を題材にして、 では過剰と不足とではどちらが悪いと思うか、 という問いがあった。・過剰の方が悪い ・不足の方が悪い ・両者は同程度に悪いの三択である。愚生思うに、 過剰の方が悪いと。易ふうに云いま…

『説文』と『注』

【書の偉人】段玉裁(だん ぎょくさい):清、江蘇省金壇県の人。字は若膺、号は懋堂。考証学者。『説文解字』の解釈に金字塔を打ち立てた人物として広く知られる。著書に『説文解字注』などがある。 pic.twitter.com/ogRXwZ5sqA— 書の古典 (@unkaido_koten)…

引き際の占

武隈天命氏の『易占の要諦』に、 プチ占例が載っています。それについて書きます。× × × × 海苔屋を営んでいる75歳の女性が、 娘さんから、 「お母さんももう年なんだから、 商売はやめたら?」 と云われたとのことです。天命先生は、 「お店をやめることの…

マラルメを少々

マラルメって、 易の世界とどこか似ている・・ 気がします。岩波文庫は、 ガチガチの学者が書いたらしく、 大学の授業のように無味乾燥なので こちらを見ている。 36歳のステファヌ・マラルメ

運の悪い時

高島易断では、艮為山の九三を、「気性や我意は強いのであるが、 その割に才能は劣っている」と捉えています。過剛不中で気性は荒いのであるが、 下卦の艮山なので見識は低い、 というのでしょう。運気はあまりよくありません。そして続けて、高島易断では、…