柳下「易入門」によれば、
風山漸の時運はこう見ます。
運勢 ━ 塞がって通じない状態から、
次第に順調になるとします。
このように占考してあるのは、
「易入門」の説明にある通り、
漸は天地否の交易生卦だからです。
(否の三爻四爻が交わって漸となった)
「塞がって通じない状態」とは、
天地否の運勢ですね。
漸は否から来たのである、
と卦の来往を見ているのです。
これにつき、
「新釈漢文大系 易経」では、
卦変説をもって説明しています。
漸の体にありて言えば、
中二爻(九三・六四)は交はるなり。
二爻の交はるによつて、
然る後に男女各々正位を得たり。
(「程伝」)
䷋ ䷴
漸は否一変し
三、四に之(ゆ)きて卦を成す。
九四(乾)の剛、柔に下り、
六三(坤)の柔、上進す。
漸は柔の進むなり、故に曰く、
漸は之き進むなり(彖伝)と、
これ否の六三、四に之くを以て
漸を言ふなり。
(朱震「漢上易伝」)
易経を読んでも占には使えない、
と云う人がありますが、
はたしてそうでしょうか?
ということで引用してみました。
むしろ、
占のベースに易経があると、
云えないでしょうか?