高島易断では、艮為山の九三を、
「気性や我意は強いのであるが、
その割に才能は劣っている」
と捉えています。
過剛不中で気性は荒いのであるが、
下卦の艮山なので見識は低い、
というのでしょう。
運気はあまりよくありません。
そして続けて、高島易断では、
こういう運気にあって、
・吉に向かう道。
・凶に向かう道。
が述べてあります。
かいつまんで申しますと・・
【倖せになる人】
他人のために心を尽くし、
報酬の多寡に意を介(かい)さず、
謹慎(つつしみ)にして礼がある。
加えて愛敬のあること。
このようであれば、衆人これに感じ、
皆から愛され、自然と倖せが集まって来る。
【不倖せになる人】
ちょっとのことにも報酬の厚薄を計り、
過不足を顔に表わし、或いは
学識を鼻にかけ、しきりに人と論争し、
或る時は知識を振りかざして、
正しいことをもねじ曲げ、人に強いる。
これでは人に憎まれ、人から遠ざけられる。
・・というのであります。
運の悪い時に人はどうあるべきか。
高島呑象翁は、そのようなことを
教えているのだと思います。