易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

なぜ女が帰ぐ?

風山漸彖辞には、
「漸女帰吉」とあって、
女の帰(とつ)ぐ話が出て来ます。

それはなぜか?

婦人謂嫁曰帰。
天下之事、惟女帰為有漸。
納采、問名、納吉、納徵、請期、親迎、
六礼備而後成婚。
是以漸者莫如女帰也。
(来知徳)

婦人の嫁するを謂い帰ぐを曰う。
天下の事、ただ女帰ぐのみを漸有るとなす。
納采、問名、納吉、納徵、請期、親迎、
六礼備わりて後、婚を成す。
ここを以て漸は女帰ぐにしくはなきなり。

「納采、問名、納吉、納徵、請期、親迎」は、
結婚をする際の六つの礼です。

結婚。
うれしくて心急()くのではなく、
六つの礼にしたがって、
ゆるりゆるりと段取りをふんでゆく。
それが「漸」だというのです。
 
卦の象で云えば、
漸は艮門の外へ巽女が出てゆく象。
(すなわち女の帰ぐ象です)

また交易卦という観点からは、
否の六三()が四爻に帰いで漸になった、
という見方も出来ます。