艮為山、六五の爻辞はこう。
艮其輔。言有序。悔亡。
おおかたこのような意味です。
「輔に艮る」輔は頬骨で、
「言・序あり」。
つまり言を正しうするのである。
言を正しうすることは信を立てるのである。
悔ゆるところはない。
(安岡正篤「易学入門」)
「言を正しうすることは信を立てるのである」
言を正しうせよ、
つまり妄りに言葉を発しないで、
節に中るようにせよ、
というのです。
義理派ならば、
この読み方でよいのですが、
占筮派の場合には、「機運」をも
押さえておく必要があります。
然し機運としたならば、
今迄は艮まる事のみを厳重に守らせて来たが、
ここらあたりから、そろそろ進むべき時が
近付いてきてゐるとも見れませう。
(「易学大講座」)
もう五爻だから、
艮の縛りが解けつつある・・
というのです。
でも、まだ、
急進してはだめなんですけどね。
大岳氏は、
「進出の下準備」をしつつ、
急がず、慎重に過ごしておりなさい、
と云っています。
爻辞には、
書いてありませんが、
「止まっておれば、
徐々に好転する機運」
なのです。