易経の十翼のひとつに、
雑卦伝があります。
義理易の学者の中には、
雑卦伝は浅薄なりという人がありますが、
占筮家にとっては、
占に使えることがありますので、
馴染んでおかれることをお奨めします。
雑卦伝は翼伝の中では最も人間的なものですから、哲学や理学ではない人間生活の占断には、雑卦伝的判断が最も適切です。
(易学大講座)これは(雑卦伝は)、占断する時、そのまま用いられることがありますので、八卦の象と共に覚えておくと活用できることがあります。
(柳下・易入門)
たとえば、小生は、
大壮卦が得られると、雑卦伝の
「大壮則止」 を思い浮かべます。
大いに壮んな時なので、
止まるのがよろしいのであると。
まあ、
ブレーキを踏む時なのですが、
驕ってアクセルを踏まないようにと、
そのように、まず、卦を捉えます。
× × × ×
ところで、
こんなツイートを見ました。
いろいろ易経を読みましたが、周易をやるなら、占い師の書いたものでないと使い物にならない。学者の書いたものは占いにはサッパリ役にたたない。
ま、
いちいち反論はしませんが、
こんなことを申しておきます。
某易占家は、生前、
「易経を読めば他に何も読む必要はない」
とおっしゃっていたのです。
とりわけ、
程伝(義理易)を推奨していました。
もっとも、
この言は上級者に向けて云ったのだと、
小生は思います。
基本的な占法を既に知っていれば、
あとは、ただ、易経本文とその注釈を
読みさえすればそれでよいのであると。