易に精通している人というのは、
その理解が言葉の端々に表れる。
たとえば、
小生の知っている某氏は、
火山旅につき、
ぼそっとこう云ったりします。
火山旅という卦は、
前卦の雷火豊と反卦になっています。
ゆえに豊の上六を継いで、
都落ちの旅とみれば理解が早い。
こういうことを云える人というのは、
滅多にあるものではありません。
どこかの易書に書いてあったことを、
ただ暗記して口にしたのではなく、
氏の易経理解がこのようであるという、
そうした重みのある言葉だからです。
ちなみに、
易経にはこうあります。
豊上六に曰く、
豊其屋、蔀其家。闚其戸、闃其无人。三歳不覿。凶。
序卦伝に曰く、
豊とは大なり。大を窮むる者は必ずその居を失う。
故にこれを受けるに旅をもってす。
雑卦伝に曰く、
親しみ寡きは旅なり。