先甲三日。後甲三日。(蠱、卦辞)
これ、
謎のような言葉です。
古代は、
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸 の十干をもって、
日を記したということです。
「甲に先だつ三日」 とは、
甲の日から先に癸壬辛と遡って辛の日をいいます。
「甲に後るる三日」 とは、
甲の日から後に乙丙丁と下って丁の日をいいます。
辛の日と丁の日、
それと巽五爻 「後庚三日」 の癸の日、
これらは古代において、
事を行う吉日だったそうで、
祭祀によく用いられたそうです。
(王引之の説)
古代に事を行うに辛・丁および癸の吉日が用いられたことは 『経典釈文』 に明証がある。
吉日を占い問うてことを行った。
(鈴木由次郎)
ここの解釈は諸説あるところで、
岩波易経を押さえておけばよいと思いますが、
面白い説なので記してみました。
今井宇三郎、鈴木由次郎の両氏は、
この 「事を行うの吉日」 説を採用しておられます。