山風蠱の卦は、
☶
☴
という形をしていて、
- 山の下に風のあること。
- 年上の女が年下の男に下っていること。
すなわち、
下卦の巽風・巽女が悪さをなすことによって、
蠱乱蠱惑が生じて来ると見ています。
(白蛾小筌では 「門内賊あるの象カタチ」 と)
そうして、六爻の辞は、
こうした蠱の状態を正すことを内容として、
それぞれ辞が繋けられています。
(父や母の)蠱を幹タダす、というわけです。
思うに 「幹す」 というのは、
巽の象の 「斉(ととの)う。潔斎」 から
来ているのではないかしら。
(巽木の幹ミキとも)
すると巽の風は、
悪さをもたらす原因であるとともに、
将来の吉運をもたらす原動力でもあるのです。
悪い卦の中に吉をもたらす機会が含まれており、
良い卦の中に凶をもたらす機会が含まれている。
こうした読み方は、
「周易を読むについての重要なる心得の一つである」
と、公田連太郎翁は述べています。