易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

かくすれば吉

柳下「易 占法の秘伝」に、
辞占の心得が述べてあって、
その中の一つにこんな記述があります。

筮して得た爻の辞に
「かくすれば吉」とある場合は、
問占者はなかなか教え通りに
行動できないものである・・

いつものように サラリ と書いてあるので、
読み飛ばしてしまう人もいるでしょう。

しかしこれは重要な指摘です。
(大岳説かもしれません)
(大岳氏はそういう読み方をよくします)

たとえば、
沢山咸の二爻の辞。

そのこむらに咸ず。凶。れば吉。

岩波易経ではこう訳しています。

腓に感じて軽率に動くのは凶であるが、・・
静かに止まっていれば吉である。

つまり柳下先生が云うのには、
こうした辞においては、
問占者はなかなか止まってはおれず、
軽率に動いてしまうものである、
というのです。

においては、
もちろん止まるべきですが、
においては、
「居れば吉」は慰めとして
付いているにすぎないとして、
「腓に感ず。凶」をもって、
占うほうが現実的なのです。

爻象の辞で占って、
教えや戒めの辞はアドバイスとして用いる、
と云ったらいいでしょうか。