柳下「易 占法の秘伝」に、
辞占の心得が述べてあって、
その中の一つにこんな記述があります。
筮して得た爻の辞に
「かくすれば吉」とある場合は、
問占者はなかなか教え通りに
行動できないものである・・
いつものように サラリ と書いてあるので、
読み飛ばしてしまう人もいるでしょう。
しかしこれは重要な指摘です。
(大岳説かもしれません)
(大岳氏はそういう読み方をよくします)
たとえば、
沢山咸の二爻の辞。
その
腓 に咸ず。凶。居 れば吉。
岩波易経ではこう訳しています。
腓に感じて軽率に動くのは凶であるが、・・
静かに止まっていれば吉である。
つまり柳下先生が云うのには、
こうした辞においては、
問占者はなかなか止まってはおれず、
軽率に動いてしまうものである、
というのです。
義においては、
もちろん止まるべきですが、
占においては、
「居れば吉」は慰めとして
付いているにすぎないとして、
「腓に感ず。凶」をもって、
占うほうが現実的なのです。
爻象の辞で占って、
教えや戒めの辞はアドバイスとして用いる、
と云ったらいいでしょうか。