大壮、利貞。
大壮は貞に利ろし。
── 大壮、卦辞
「利貞」の二字で、
壮を用いてはならない、
と戒めています。
大壮は亨る・・とは云わずに、
いきなり「貞に利ろし」と、
注意事項を述べているのです。
この卦のように、
陽が長じて中庸を過ぎている、即ち
大いに勢いが壮(さか)んなる時には、
とかく人は血気にはやったり、
気持ちが大きくなったり、
マウンティングをしたり、
短気&癇癪持ちであったり・・で、
運気を壊してしまうもの。
なので卦辞において、
「亨」とか「吉」を云わずに、
ただただ戒めているのです。
雑卦伝にも、
「大壮則止」とありますが、
「利貞」と同意義です。
大岳先生は、
止り得ない現実を前提として、
止まれよと教へた語(ことば)であります。
(易学大講座)
と述べています。