恒其徳貞。
婦人吉。夫子凶。
象曰、婦人貞吉、従一而終也。
夫子制義、従婦凶也。
── 恒、六五
この辞につき、朱子が
参考になることを云っています。
易を看るには、すべからくこれ象と占とを暁(さと)り得ること分明なるべし。いはゆる吉凶は、爻のよく吉凶なるにはあらず、爻に此の象ありて、占者はその徳を視て吉凶あるのみ。
(朱子語類)出典:新釈漢文大系 易経
「恒其徳貞」は爻の象ですが、
吉凶はここにあるのではなく、
婦人ならば吉であるが、
夫子ならば凶であると、
占者がその都度判断をする。
すなわち、
占にあっては、
占者が問占者の人物を見て、
吉凶を決定するのであると、
朱子は云っているのです。
こういう辞の場合・・
小事ならば吉であるが、
大事ならば凶である。
内を整えるは吉であるが、
積極拡大は凶である。
平社員なら吉であるが、
社長ならば凶である。
・・などとも、
応用することがあります。
多くの人は、こういう
占い方をしていないと思いますが、
(ネット上はゼロでしょう)
大岳易、柳下易においては、
こんなことを想定しながら
占っていると思われます。
こうした占考の根拠は、
実に朱子にあるのです。