顛頤、払経。于丘頤、征凶。
── 頤卦、二爻
この辞につき、
新釈漢文大系「易経」には、
程伝の解釈が引用されています。
よい勉強になると思いますから、
ちょっと読んでみます。
上を以て下を養ふは、理の正しきなり。二は既に自ら養ふ能はず、必ず養ひを剛陽に求む。若し反りて下、初に求むれば則ち顛倒となす。故に顛頤と云ふ。顛なれば則ち経常に払違し行はるべからざるなり。若し養ひを丘に求むれば則ち往きて必ず凶あり。丘は外に在りて高きの物、上九を謂ふなり。卦はただ二陽のみ、既に初に顛頤すべからず。若し頤を上九に求め、往けば則ち凶あり。
上が下を養うのが正しい、
と云っています。*1
卦辞には「貞吉」とありますから、
正しくなければ卦義に反して凶なわけです。
陰は陽に頼るものですから、
二は養いを初に求めるのですが、
それでは下が上を養うことになって、
つねでない、よろしくない・・
というように読んでいきます。
× × × ×
新釈・易経の良いところは、
主要な易学者の解釈が要を得て、
引用されてある点です。
これを読んで意をつかんでおれば、
岩波易経、易学大講座を読むにあたっても、
より深い読み解きができるでしょう。
ただし、
新書漢文大系「易経」、
角川ソフィア文庫「易経」では、
このような読み方はできませんので、
ご用心。
*1:上が下を養うのが、
自然界の順序だからです。