象伝のうち、小象の方は、
爻辞を象をもって説明し、
また道義をも説いています。
その判断基準は、
「時中思想」 であって、
「中」 もしくは 「正」 を以て、
吉凶判断の妥当性を証明しています。
彖伝にもまた、
「時中思想」 が貫かれていますが、
これなどはその最たるものでしょう。
時止則止、時行則行。
(時止まれば則ち止まり、時行けば則ち行く)
動静不失其時、其道光明。
(動静その時を失わず、その道光明なり)
── 艮卦、彖伝
ここでは、
行く川の流れのように、
一時も息まない時の流れに中するべきである、
調和すべきであると述べています。
まさに、時中・・。