雷火豊 第五爻の辞に、
章 を来 せば、慶誉 あり。吉なり。
(岩波易経)
とあります。
「慶誉あり。吉」とあって、
慶福と名誉が得られるのですから、
何やら大吉のように思われるのですが。
しかし、
この爻自体は柔弱ですし、
すでに豊かさの弊害が現れ始めていて、
暗さが兆してきているのです。
そこで爻辞は、
このように暗い運勢ではあるけれども、
章を来すならば、運勢を挽回できますよ、
と教えているのです。
暗闇に灯りをともす法、
とでも云えばいいでしょうか。
このように爻辞の「吉」は、
条件付きであることが多いのです。
ゆえに占においては、
現在ノ運勢ハ暗イノデアル・・と、
そのことを意識して占考せねばならない。
爻辞占は「おみくじ易」とは、
異なる占法なのです。