悔亡。
喪馬勿逐、自復。
見悪人无咎。
── 火沢睽、初九
こういう辞を得た時には、
まず、現在、睽の時である、
もしくは、将来、睽の運勢になる、
と、つかんでおいてから、
辞を見ることが大切です。
いきなり、
辞を占事に当て嵌めてしまうと、
おかしな占になってしまう。
すなわち、
こうした辞の場合は、
初は四と睽き合っているので、
「悔いがある」
と、まず、爻の象を読むのです。
爻辞に「悔亡」とあるのは、
下文の「勿逐」「見悪人」
という教えに従うならば、
悔いが亡ぶというわけで。
ですから、爻自体は、
「悔いがある」という
運勢の渦中にあるわけで、
爻辞のほうは、
その悔いを亡ぼすためには
「どうしたらよいか」
を告げているにすぎない。
そこを知らないと、
(易経を読んでいないと)
「悔いが亡ぶから大丈夫」などと、
頓珍漢な占をするのです。
ご用心あれ。