易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

上級者の易占

 三変筮と六変筮と、どちらが優れているか、という議論は不毛である。両者は優劣の違いではなく、単に占的の違いだからである。可否占ならば三変筮を用い、推移・成行き占なら六変筮を用いる。それだけの話だ。
 しかし優劣とは別に、上級者になればなるほど、三変筮 オンリー となる易占家が多いようだ。
 こうした現象は、以下の俳人の述べるがごとき理由からであろう。

 句もまた極めて自然に叙されている。あらゆる言葉の飾りをとり去り、素朴にしかもその場の空気を現わしたいという心構えに達したときに、こういう作が出来るので、作者としては最も到りがたい境地である。
 この句のあっさりしすぎている点に不満をおぼえる人は、まだ技巧のための技巧に興味を感じているのであろう。技巧のための技巧もまた極めてむずかしいもので、それを縦横に駆使することも、大手腕がなくては出来ぬことだ。しかしその時代をすぎると、技巧というものが次第に不要になり、ありのままに描くことを以て満足するようになる。この句などはその境に入った一例で、水際にすくすくと立つあやめの花が、そのままに現わされている。
(水原秋櫻子)

 易占も達人の境に入ると辞を深く読むようになる。そしてひと言「咎なし。と辞にありますから、やっていいんじゃないですか」とそんな占になる。ごちゃごちゃ算木をひっくり返したり、之卦だ、互卦だ、秘伝だ、真勢の生卦法だ、などと、わかったようなことを云わなくなる。実に シンプル な易占になるのです。
 辞を深く読むといっても、実は、卦・爻・辞の三者を深く読んでいるのですが。
 そして上級者というのは、可否・成否という占的の立て方が実に上手い。占事の核心を正しく射抜いた占をする。