易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

天祐はあるか

易の美辞には必ず条件があります。
たとえば、火天大有上爻

自天祐之。吉无不利。
天よりこれを祐(タス)く。
吉にして利ろしからざるなし。

天からの祐けがある・・なんて、
なんとすばらしい運勢でしょう。

しかしちょっと待ってください。
易の美辞には条件があるのです。

岩波「易経 」の繋辞伝 p.247 によれば、
この爻には履信・思順・尚賢
三徳がある。

そしておそらく、
こういうことなのでしょう。

この大有の上爻は、
この三徳のもたらす吉によって、
天の祐けを受けるのであると。

ということで、
この辞を得たら、是非とも人物を見て、
最低でも誠実な人柄であるか否かくらいは、
チェックしましょう。

もし・・

思い上がっている。
高ぶっている。
嘘つきである。
オレが、オレが、と自己中。
自信過剰。
有頂天。
強引。

・・などの傾向がみられたら、
恐らくは天祐は得られませんし、
かえって争いを起したり、挫折がある
のではないかしらん・・

ややこしいし、めんどくさい見方ですが、
儒教風に辞がかけられているために、
このような判断になるのです。

易は徳がなければ、
天の祐けなんてありません。

中庸曰。
誠は天の道なり。
これを誠にするは人の道なり。