以下は、かなり前に、
易研究会で出された占例です。
38歳の独身男性が、
人事異動に不満があって、
会社を辞めて独立したいと云っています。
経産省系の会社に勤めている、
正規の社員です。
三変筮で「辞めてよいか」を筮すると、
得られたのは風火家人の六二でした。
家人は、家を正しく治めよ、
家業を守れ、という卦です。
爻辞は、
无攸遂。在中饋。貞吉。
岩波易経にはこうあります。
六二は柔順中正、婦道の正を得た者のありかた。
私意を遂げることなく、ひたすら家中に在って
饋食(きしょく)すなわち飲食を調(ととの)え
祭祀に供することをつとめとする。
このようであれば貞しくて吉である。
この占は爻辞の通りに占えば、
自ずと答えは出て来ますね。
転職なんて考えないで、
社内にあって飲食、祭祀、
すなわち日々の業務にいそしんでおれば、
それが貞であってやがて幸せとなる。
そんなに難しくありませんね。
研究会でも、
みな同様の判断をしましたが、
当時、会長をされていた先生は、
このような発言をされました。
「発展性のない人なので、
勤めを辞めない方がいいですよ」
つまり、
あまりうだつの上がらない人なので、
宮仕えをしていた方がいいですよと。
参考になると思います。