風火家人の彖伝には、
正家而天下定矣。
家を正しくして天下定まる。
とあります。
これは「大学」の
家斉而后国治。
家斉(トトノ)いて后(ノチ)国治まる。
と、同様の意味です。
そして、
「易経」風火家人の卦辞には、
家をととのえる要諦が述べてあります。
女の貞に利ろし。
家、ひいては国家を正しく治めるためには、
「女の貞」を固く保たねばならない、
というのです。
より易経ふうに云うならば、
女性が位を正しく守って、
順徳を以て二爻と四爻の功をなしなさい、
というのです。
投手ではなく、捕手・女房役の
働きをなすのです。*1
しかし、古人には、
こんな文章もあります。
家人卦の中道を得るは、
天下を治むると等しく
六かしいものである。
女の貞は、
家庭(国家)を安定させる要件ではあるけれども、
そんなに簡単ではないようです。
*1:性別を女性に限定せず、全体の調和のためには、
そうした順徳の人が不可欠である、と考えましょう。