鞏用黄牛之革。
鞏(カタ)むるに黄牛の革(カワ)を用う。
沢火革・初九の爻辞です。
要するに、
「動かぬよう、固く縛りつけておけ」
ということです。
初爻なので時が熟していない。
最下にいて位がない。
上との応爻がない。
・・と、時・位・応を
得ていません。
みだりに動かなければよいのですが、
しかしベテラン易者になると、
こういう爻につき、
「事を起こして失敗する」
なんて占ったりするのです。
もし爻辞のように振る舞えるなら、
行ないが中庸を得て失敗はないのですが、
しかし我々は愚かな凡人ですからね・・
というワケです。
とりわけ、
初爻はまだ未熟なところで、
思慮が浅い、軽はずみ、騒がしい、
といった質ゆえに妄動しやすい。
我々は爻辞のようには振る舞えない。
凡人は中庸を守ることが出来ない。
といういことを念頭に置いて、
爻辞占をすべきなのです。