易経を読むとは、
辞だけを読むにあらず。
たとえば、
沢天夬の五爻の辞は、
莧陸夬夬。中行无咎。
象曰、中行无咎、中未光也。
・・ですが、
辞書的な ‘意味’ を知っただけでは、
易を解したとは云えないのです。
すなわち、
次のことを掴んでおく、
必要があるのです。
- 今は五陽爻が一陰を決去する時である。
- 五は陽剛中正の定卦主であり、五連奇の先鋒にいる。
- 決去すべき上六と密に比している。
- ゆえに義と情にゆらめくのである。
(兌為沢の五爻上爻の関係に似ています)
こうしたことを、
読み取るのが易なのです。
「莧陸」の解釈には様々ありますが、
学者はこだわるべきでしょうが、*1
易者はあまり気にしなくてもよい。
安岡正篤氏曰く、
「これ(上六と密比すること)がわかれば、
どつちでもよいことである」
辞だけを見ていても、
爻辞占は出来ませんし、
義理易を学ぶにしても、
辞以外の、卦爻の状態を
きちんと押さえるべきです。
こういうところが、
易経の厄介なところですし、
面白いところです。