爻辞の言葉は、
ただ意味を表しているだけでなく、
象の表現であったりします。
例えば、水風井の初六。
爻辞曰、
井泥不食。旧井无禽。
井泥して食らわれず。旧井に禽なし。
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爻辞の「不食」は、
二三四爻に兌の卦があり、
兌の口は初六の外に在りますから、
食らわれずといっているのです。
「无禽」は、
鳥が来ないということですが、
初二三四に雷山小過の似象があり、
小過は飛鳥の象(小過彖辞)だから、
鳥が飛び去って「禽なし」なのです。
爻辞には、
こんな絡繰りもあるのですが、
こうしたところが、易経の
特異なところといえましょう。
こんな古典は他にありません。