易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

永遠の成長

何か新しいことをしようとして、
その可否を筮したところ、
乾為天第五爻を得たとしましょう。

すると、普通は、
「飛龍在天」の辞を見て、
運の強い時とのイメージを抱き、
「大いにやってよろしい」
と占うのではないでしょうか。

しかしちょっと待ってください。

これが、もし、
現在が「飛龍」の状態だとしたら、
これ以上進むことは、
上爻の「亢龍有悔」の運気になってしまう、
ということにも、なるのです。

すなわち、
目下の絶好調にウヌボレて、
進むを知りて止まるを知らざれば、
(純陽の卦ですからね)
「後悔することになりますぞ」
という占になるのです。

ここらあたりが、
爻辞占のムツカシイところで、
筮前の審事によって時・状況をよく見極め、
爻辞を固定的に用いないで、
臨機応変に占う必要があるのです。

盈つれば虧ける。
陽窮まれば陰に変じる。

これが易の理ですが、
無尽蔵に発展するということは、
易の考え方にはないのです。

現在が「飛龍」であれば、
新しいことに手を出すのではなく、
今の「中(ちゅう)」の状態をいかに維持するか、
が占のポイントになるのです。

× × × × 

巷間「成長と分配」
ということを耳にしますが、
我が国にこれ以上の経済成長はあるのか。

経済に疎い小生にはわかりませんが、
君主、為政者にはぜひ、上記の易理を、
心得ておいてほしいと、
切に願うのです。