易経六十四卦のラストは火水未済であり、
未完成という卦を最後に置いていますが、
ここには聖人の深い配慮があるようです。
これはよく云われる “蘊蓄” ですね。
また雑卦伝のラストは沢天夬であり、
五剛が一柔を決するという卦ですが、
これは先に乾為天を見ているのです。
残った一陰を決去しつくせば、
再び六爻皆陽の乾となって、
新しい時勢を迎えることと
なるのである。
(同上)
序卦の終りは未完の卦であり、
雑卦の終りは一陰がまだ残っている卦。
どちらも易が完結しておらず、
そこに易の永遠性があると思われます。