坎不盈。
祗既平、无咎。
── 坎、九五
意味は、こうです。
× × × ×
三変筮によりて、
結婚を占って、
この辞を得たとしたら・・
爻辞は、
坎という苦労の中にあって、
五爻はどう振舞うべきかを、
教えています。
なので、
「この結婚は成就するか」
を占ったのでしたら、
すぐにはまとまらないが、
これまで苦労してきた二人なら、
もう少し頑張ればまとまる、
などといった、
成否占ができるでしょう。
扨(さ)て、
「この人と結婚していいか」
の可否占ですが。
いわば、
縁の良し悪しを知りたいのですが、
これは辞をそのまま用いては、
占えないでしょう。
「坎、盈(み)たず、咎有り」
のように辞を読み替えたなら、
あるいは占えるかもしれませんが。
坎の象意に対して、
(愛情とか、夫婦生活とか、浮気とか)
それに不満のある結婚生活・・
のように辞を読み替えるのです。
けれども、これは、
易経をよく読んでいない人には、
無理でしょう。
まあ、
無難で、一般的なのは、
坎の主爻であるという象を見て、
結婚したら坎難に陥るので、
良縁ではないと判ずることです。
つまり、
三変筮という筮法は、
占的に合わせて、
爻辞を読み替えたり、
爻辞を捨てて象を見たり、
爻辞より卦意、卦象を重んじたり・・
そういう頭の体操を、
占者がその都度せねばならない。
そういう意味でも、
爻辞占って、けっこう
ムツカシイ占法なのです。