易経を読むブログ

易占目的の ブログ ですが「易経を読む」と謳っているのは、易占に易経は不可欠であるという考えからです。「有料記事」は知っておくべき六十四卦の見方や占例を記してみました。無断転載禁止。

成否と可否

坎不盈。
祗既平、无咎。
── 坎、九五 

意味は、こうです。

険難はまだ終わっていない。
万事平穏になってから動けば、
咎めを免れる。
(丸山松幸「易経」)

× × × ×

三変筮によりて、
結婚を占って、
この辞を得たとしたら・・

爻辞は、
坎という苦労の中にあって、
五爻はどう振舞うべきかを、
教えています。

なので、
「この結婚は成就するか」
を占ったのでしたら、
すぐにはまとまらないが、
これまで苦労してきた二人なら、
もう少し頑張ればまとまる、
などといった、
成否占ができるでしょう。

扨()て、
「この人と結婚していいか」
可否占ですが。

いわば、
縁の良し悪しを知りたいのですが、
これは辞をそのまま用いては、
占えないでしょう。

「坎、盈()たず、咎有り
のように辞を読み替えたなら、
あるいは占えるかもしれませんが。

坎の象意に対して、
(愛情とか、夫婦生活とか、浮気とか)
それに不満のある結婚生活・・
のように辞を読み替えるのです。

けれども、これは、
易経をよく読んでいない人には、
無理でしょう。

まあ、
無難で、一般的なのは、
坎の主爻であるという象を見て、
結婚したら坎難に陥るので、
良縁ではないと判ずることです。

つまり、
三変筮という筮法は、
占的に合わせて、
爻辞を読み替えたり、
爻辞を捨てて象を見たり、
爻辞より卦意、卦象を重んじたり・・
そういう頭の体操を、
占者がその都度せねばならない。

そういう意味でも、
爻辞占って、けっこう
ムツカシイ占法なのです。