易経を読んでいると、
下記の説に出会うことがあります。
「こんな論点がある」くらいは、
知っておくとよいでしょう。
上経は乾・坤に始まり、
畜(小畜)・履に至るまで凡そ十卦、
陽爻三十、陰爻三十を均しくして泰・否を得、
泰・否はまた乾坤を合す、
蓋し乾・坤の小変なるなり。
下経は咸・恒に始まりて
蹇・解に至るまで凡そ十卦、
陽爻三十、陰爻三十にして損・益を得れば、
則ち咸・恒を伏とし、
又内外相易はるもまた咸恒をなす、
蓋し咸・恒の小変なるなり。
(佐藤一斎「周易欄外書」)出典:新釈漢文大系 易経
「則ち咸・恒を伏とし」は、
咸・恒 と 損・益は、それぞれ、
錯卦の関係にあるということです。
ざっと申しますと・・
易経の上経は、
乾・坤から始まって、
陽爻三十、陰爻三十を経て、
泰・否が置かれる。
下経は、
咸・恒から始まって、
陽爻三十、陰爻三十を経て、
損・益が置かれる。
上経の泰・否は、
天地を表す乾・坤の変化したもので、
(泰否は小成・乾坤の卦です)
天下の治乱を示している。
下経の損・益は、
夫婦を表す咸・恒の変化したもので、
一家・人事の盛衰を示している。
・・みたいなことを、
云っています。
恐るべし、易卦の序列。